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車いす体験オンラインで・障害者目線の動画配信

2020.7.14(越谷市)
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 車いすから見た君たちの街です――。社会福祉法人「越谷市社会福祉協議会」は、夏休みの小学生対象の「ジュニアボランティアスクール」(同市教育員会主催)で、“オンラインで車いす体験”という講座を開く。車いすを利用している同社協職員が、頭に固定したカメラで街の様子などを撮影した動画を、スマホやパソコンで子どもたちに見てもらおうというもの。越谷の街を移動するシーンや、車を運転する姿など、普段知ることのできない障害者の目線や、特徴を学ぼうというユニークな試み。8月9日の開講に向けて同社協は、動画の撮影、制作に余念がない。

 「ジュニアボランティアスクール」は、毎年夏休みに、越谷市内の小学生対象に開かれている人気講座。今年はコロナ禍で開催が危ぶまれたが、同社協が知恵を絞り、“オンラインで車いす体験”を企画した。

 中心となったのが、同社協職員で、同市福祉体験学習推進員の住田英喜さん(54)。「従来は車いすに乗って体験してもらったが、私が車いすから撮った動画を見てもらえば、『バーチャル体験』できる」と住田さん。

 撮影は、住田さんの頭にデジタル動画カメラをマジックテープで固定して行う。同社協のある同市中央市民会館から越谷駅への移動や、住田さんが自分の車に乗る様子や、運転する姿を撮影中だ。

 撮影した動画は、「予習動画」として事前に受講する小学生たちに配信し、動画への感想などを書き込む「ワークシート」をメールで送っておく。このシートに子どもたちが書き込んで、スクール当日、講師の住田さんとパソコンやスマホを使って、意見交換や質疑などを行う。

 同市出身の住田さんは、24歳(1990年)の夏、遊びに行った神奈川県鎌倉市の海水浴場で寝ていたところ、トラックに頭を踏まれ、首の骨を骨折。以来、首から下がまひして車いす生活に。病院での2年半のリハビリ後、足を使わず両手で趣味の車に乗るため、教習所に通った。今では、スポーツカーの日産フェアレディ―Zを両手運転用に改造してドライブを楽しんでいる。

 2006年から同社協職員として働いている。住田さんは「カメラを通して、さまざまな障害のある人がいることを知ってもらい、動画を見て気づいたことや住みやすい社会にするにはどうしたらよいか、アイデアを出してほしい」と話す。

 講座は8月9日午前10時から小学1年〜3年生。同日午後1時から、同4年〜6年生。ウエブ会議システム「Zoom(ズーム)」を使って、同社協と自宅を結んで開講する。各定員10人。同市内在住・在学の小学生対象。参加費無料。申し込みが定員を超えた場合、抽選となる。

 同社協の田中裕人・地域福祉課長は「コロナ対策で考えた、新たな試み。車いすを利用する人の生活を伝えられたらと思う」と参加を呼びかけている。

 <問い合わせ>MN越谷市社会福祉協議会TEL966・3211。

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