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市場が「食支援」の拠点に・空き店舗に保管施設開設

2020.7.6(越谷市)
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 子育て中の生活困窮家庭に食品を無償提供する“フードパントリ―”活動が注目されているが、越谷市の「越谷総合食品地方卸売市場(越谷市場)」(同市流通団地)に、このほど、食品を保管する「中間拠点施設」がオープンした。市場内でのフードパントリー施設は県内初。空き店舗が目立つ同市場スペースの有効活用も狙った官民連携のアイデア。8月9日には、同じ市場内に市内3か所目のフードパントリー「越谷子育て応援フードパントリー越谷市場」もオープン予定で、関係者は「両施設を県内でのフードパントリ―活動拡大の契機に」と期待をかける。

 同市場内に食品保管の「中間拠点施設」を開設したのは、市民団体「越谷子育て応援フードパントリー」(草場澄江代表)。一昨年から、地域の企業、農家、家庭から集めた食品を、児童扶養手当受給世帯やひとり親の生活困窮世帯に無償提供するフードパントリー活動に県内で初めて取り組んでいる。

 特に新型コロナウイルスの感染拡大で、学校給食がなくなり、困る家庭が増え、急速にニーズが高まっている。こうした中、同市の鈴木正明・環境経済部長が「食品ロス対策と産業支援、子育て支援を一緒にできないか」と呼びかけたところ、「提供してもらった食品の保管場所を提供していただければ」と、草場さん側が連携を快諾し、同市場の活用となった。

 1984年開場の越谷市場は越谷、草加、三郷、八潮、吉川、松伏の5市1町が出資する地方卸売市場。最近の流通の変化で、市場を通さない物流が増えて、撤退する店舗が目立ち、現在、営業しているのは11店舗だけ。

 このため、「市場は大切な社会資源。発想を変えて、子育て支援に力を入れることで、広域の利用者が増えてくれれば」(長柄幸聖社長)と、市場内の空き店舗のスペースをフードパントリーの食品保管の中間拠点施設に無償貸与したもの。

 保管施設のスペースは28平方b。支援企業から提供された大型の冷凍冷蔵庫も設置された。草場さん(56)は「これまで住宅を改造して食品を保管していたため、大量の寄付には応えられなかった。これで、常温から冷凍食品まで常時受け入れることができる」と安堵(ルビ・あんど)している。

 これに隣接して開設されるのが、「越谷子育て応援フードパントリー越谷市場」(28平方b)。草場さんの民生児童委員仲間である、コンピューターソフト開発会社社長の武藤晴彦さん(52)(同市新川町)が立ち上げる。草場さんに共感した武藤さんは、「小学校のPTA会長を務めていた時、食の支援活動の必要性を感じた」と話し、主に市内南部地区をカバーする市内3か所目のフードパントリーを8月に開所し、隔月で開催する予定だ。

 県内には現在、開催準備中も含めて32か所のフードパントリーがある。急速に増えたために、食品の安定供給が課題となっており、「今後は中間拠点施設から県内各地のパントリーに食品を輸送するシステムを構築し、スタッフを確保するのが課題」と草場さん。今後は、効率の良い食品提供のためのボランティアスタッフなどの確保に力を入れていく方針という。

 <問い合わせ>埼玉フードパントリーネットワークsaitama.pantry.network@gmail.com。
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