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「埼玉の古墳めぐり」刊行・宮川さんが70基の”謎とロマン"調査

2020.1.20(越谷市)
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 越谷市千間台西の元銀行員、宮川進さん(80)が、県内の古墳を独自に調べた結果を「埼玉の古墳めぐり 謎とロマンの70基」(さきたま出版会、A5変形判、184n)と題して、このほど刊行した。昨年11月に国の特別史跡指定が決まった「埼玉古墳群」(行田市)をはじめ、県内各地の知られざる古墳70基をこつこつ歩いて調べた。古墳の特徴やデータをエリアごとに分けて紹介している。宮川さんは「古墳は古代からのタイムカプセル」とし、「古墳の面白さやロマンを多くの人に知ってもらいたい」と話している。

 宮川さんは、滋賀県近江八幡市出身。小学生の時に古墳に興味を持ち、学生時代から地元の古墳や発掘現場に足を運んでいた。

 銀行員だった宮川さんは、30年前に転勤で越谷市に移住した。以来、同市をはじめ県東部や県内各地の郷土史研究をライフワークとしている。NPO法人「越谷市郷土研究会」の会長なども務めた。

 宮川さんは1997年に県内の古墳を、地図や写真を交えて一冊にまとめた「さいたま古墳めぐり」(さきたま出版会)を刊行している。それから22年を経て、今回内容を一新することになった。

 このため、あらためて県内の古墳をこつこつと回って調べ直した。調査には電車やバスなど公共交通機関を使ったが、「20年前と道路や交通事情が変わり、以前は行けた場所に行けなくなっていたり、バス路線が廃止されてしまっていたりして大変でした」と振り返る。「木の葉が落ちて古墳の形が見えやすい」冬季を中心に、約2年かけて再調査した。

 宮川さんによると、県内では県北部など荒川流域に特に古墳が集まっているという。一方で利根川流域にも今まで知られていなかった古墳が見つかっており、前回の著書には掲載していなかった「大塚豊明神社古墳」(杉戸町)など新たに5基の情報を収録した。

 本はオールカラーで、古墳の写真と地図を入れ、見開き2ページに各古墳の情報を掲載した。所在地と「前方後円墳」などの形状説明、造られた年代、交通アクセス方法などの「データ」を入れ、読者が実際に古墳を訪ねるガイドになるように工夫している。特に「籠原裏古墳群」(熊谷市)の八角形の古墳など珍しい古墳も紹介。県北部、県東部などエリアごとに分けられていて、複数の古墳を訪ねる時の参考になる。

 昨年7月に「百舌鳥・古市古墳群」(大阪府)が世界遺産に登録されたことを受け、宮川さんは「古墳の面白さを、見直してもらえるチャンス」と期待を込める。「なぜ、どんな人が造ったのかと想像する楽しみ、謎とロマンが古墳にはある。この本を通じて古墳ファンが増えてくれればうれしい」と話している。

 価格は1800円(税別)。書店で購入できる。
 <問い合わせ>さきたま出版会TEL048・711・8041。
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