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農業担い手育成へ連携・市と農業大学校が連携し習得強化

2018.11.13(越谷市)
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 農業後継者の育成には「学習」と「実践」のバランスが必要――と、越谷市はこのほど、埼玉県農業大学校(熊谷市、2年制)と若い農業の担い手を誕生させるための連携協定を結んだ。2020年度からのスタートを目指しているが、人材育成のため市町村と農業大学校が協定を結ぶのは全国初という。同市はこれまで、同市農業技術センターで、イチゴやネギの栽培農家育成のプロジェクトを進めてきたが一部、“脱落”するケースもあった。今回、着実な人材育成には、基礎知識が重要性なことに着目したもので、関係者は今後の成果に期待している。

 農業をめぐる「高齢化」「後継者・担い手の不足」に悩む同市は、イチゴの観光農園に目をつけ、同市農業技術センター(市内増森)で、2010年度から観光農業のプロを育成するプロジェクト(『都市型農業経営者育成事業』)をスタートさせた。試験温室を使い、若手を専門家が指導してきた。

 また、ブランドネギ「千寿葱(せんじゅねぎ)」を生産するスペシャリストを育てる事業(『新規就農・農業後継者育成支援事業』)を15年度から始めた。それぞれ2年間の研修を経て、イチゴでは7人(うち非農家2人)、ネギでは2人の新規就農者を誕生させた。しかし、その後イチゴでは1人が離農し、ネギでは育成しようとした1人が開校式直後に辞退している。

 「着実な就農」のためのアイデアを模索していた同市は、県農業大学校などの研修機関で、基礎知識と栽培技術を習得した研修生は、非農家であっても、農地を借りて新規就農する事例があることを知り、県農業大学校に人材育成の協力を打診した。

 この結果、お互いの「強味」を生かして協力することで、一致し協定締結となった。具体的には、同大学校の2年間の学習期間のうち、主に2年目の「農業実習」で、学生たちに越谷市内の農地を使って、栽培技術を勉強してもらう。卒業後は、同市内で就農してもらうという内容だ。さらに、イチゴやネギなど越谷の高品質な農作物について、市内の農家から栽培技術などを教えてもらい、農業者との交流や情報交換も積極的に行う。

 同市は20年度の研修事業スタートを目指し、それまでに両者が支援内容を固め、覚書を締結する予定。

 同大学校の奈良原栄司校長は「学生の実践的学習機会が拡大し多様化する。積極的に農業の担い手育成を進め、越谷市と県の農業振興に寄与したい」と話す。また、同市農業技術センターの石川博規所長は「農業大学校で、基礎知識を学んでもらい、越谷の農業の活性化につなげたい」と期待している。
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