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メロンを越谷の名物に・農業技術Cが試験栽培成功

2018.8.14(越谷市)
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 越谷市農業技術センター(同市増森)はこのほど、メロンの試験栽培に成功した。7月30日に初収穫し、「お披露目会」で試食してもらったところ、「みずみずしく、甘くておいしい」と好評だった。都市型農業として、観光イチゴ農園の普及に力を入れてきた同市だが、イチゴに続く農産物の新しい“目玉”としてメロに期待を寄せる。「溶液栽培」(水耕栽培)と呼ばれる土を一切使わない「栽培槽」という大型の容器で栽培するのが特徴。「糖度」や「網目」などに課題が残っており、同センターは今後3年間をめどに、高品質メロンの栽培方法を確立したい考えだ。

 同センターが試験栽培に取り組んだのは、東京都町田市が開発した品種「まちだシルクメロン」。1株から20〜60個が収穫可能で、ハウス栽培で年間3〜4回収穫できる「多収穫・低コストの高品質メロン」という。今年4月から「栽培槽」4槽を297万円で購入し、テストを重ね初収穫にこぎつけた。

 同センターの試験温室(ハウス面積約110平方b)に栽培槽や肥料循環の溶液槽、配管、循環ポンプなどを設置した。1b四方の栽培槽は高さ約1.2bのスタンドに設置され、人間の目の高さで茎や葉の状況が一目で分かる。栽培槽の上には棚を設け、そこに茎がからまり、実がぶら下がり、収穫するシステム。肥料は自動循環で、省力化を徹底したという。

 しかし、交配は手作業のため、受粉の成功率は約2割という。同センターの石川博規所長は「まだ、糖度にばらつきがあり、網目の部分も統一感がない。今後は糖度を一定にし、外観も同じようなもの作れるように研究を重ねたい」と話す。

 来年度は日照量の補助に「照明」を活用し効果を調ベ、肥料の濃度の影響も調べる。2020年度には「網目量」の調査などを行い、3年かけて高級メロンの「アールス」や赤肉系の品種の試験も検討する。

 栽培のノウハウを蓄積し、最終的には市内の農家などに栽培方法を指導しながら、販路を開拓し、イチゴに続く越谷の農産物を目指す。順調に進めば、スイーツや加工品の開発の可能性も広がる。

 市議らを招いた「お披露目会」の試食で「おいしい」との声を聞いた橋努市長は「高収益農業の実現可能性があると判断し、試験を実施している。生産技術をマスターして販路を開拓し、新しい越谷名物にしていきたい」と期待している。

 同市は「都心から近く周囲に消費者を抱える」好立地条件を生かし、市内の農地所有適格法人(旧・農業生産法人)やJAなどと連携して、2015年に「越谷いちごタウン」を開園させた。以来、いちご観光農園が次々と誕生している。
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