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若い目がみた”避難生活”・県立大の今野さんが発表

2018.3.5(越谷市)
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 東日本大震災から間もなく丸7年。被災地から越谷市に避難して来た人たちは、見知らぬ土地や人々の間で、どのように“再生”の歩みを始めたのか―。自身も被災した埼玉県立大学保健医療福祉学部4年の今野晴香さん(22)は、被災者との交流活動を通じて、見聞し、体験したことを18日、同市内で開かれる東日本大震災関連イベントで発表する。今野さんは「避難者への支援は行政だけでなく、地域住民が積極的にかかわることが重要」としているが、避難者と地域との相互関係を若い目はどう捉えたのか、関心を集めそうだ。

 今野さんは宮城県東松島市出身。中3で翌日は卒業式という日に大震災に遭遇した。祖父母や曾祖母、幼なじみらを津波で亡くした。木造2階建ての自宅の1階部分に浸水したが、周囲の家屋は多数倒壊し、「家が残っただけ、ましだ」と自身に言い聞かせた。しかし、「悲しみが大きく、これからの生活がどうなるのか、不安でいっぱいでした」という。

 地元の石巻高校を卒業後、埼玉県立大に進学し、同市内の被災避難者との交流の場「ひだまり広場」を運営するサークル「Solations(ソレイションズ)」に入った。「高校時代は被災地にいながら、何もできなかったという思いから」だった。

 「ひだまり広場」は、市内で毎月1回開催され、サークルのメンバーは、東北の被災地にボランティア活動に出かけたり、市内の高齢者との交流イベントを企画したり、地元のまつりや公民館の子ども向けイベントにも参加するなど幅広く活動している。

 特に「ひだまり広場」で、「避難者が新しい地域で生活していくには、様々な苦労や困難があることが分かった」という今野さんは、「そのまま居住するにしても、新たな地域に移るにしても、避難先で安心して生活するにはどのような支援が必要か」という問題意識が強くなり、卒業研究のテーマを「東日本大震災の被災者を対象とするサロンの形成過程」にした。

 避難者と地域住民が、どのようにして「サロン(交流会)」をつくり、どのように運営しているか、どういう課題を抱えているか―。こうした問題を活動を通じて考え、研究をまとめたという。研究結果は、18日午後1時から、同市男女共同参画支援センター「ほっと越谷」(同市大沢)で開かれる、「東日本大震災を忘れない〜地域の交流について一緒に考えてみませんか」で発表する。

 「避難者の適切な支援には行政だけでなく、住民と避難者とのコミュニケーションが大事ということが分かった」という今野さんは、「支援の方法は多岐にわたるが、災害は他人事ではないことを伝えたい」と話している。

 イベント主催者の一人、NPO法人「男女共同参画こしがやともろう」理事の山口洋子さん(67)は「原発事故の後、避難指示が解除されて、地元に戻るにしてもかつてのコミュニティーは戻らない。震災後、越谷ではどんなことをして、今後どうするのかを検証していきたい」と話す。イベントは午後1時30分から、定員50人。参加費無料。

 <問い合わせ>ともろうカフェEメールtomorou@hot-koshigaya.jp。
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