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住民が”まちの核”づくり・3者で「南荻島未来会議」

2018.2.26(越谷市)
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 大規模分譲住宅に付随して整備される「集会所」や「公園」を、“地域コミュニティーの核”にするため、住民と開発業者、行政の3者がアイデアを出し合う試みが、越谷市南荻島地区で始まっている。同市内の「「中央グリーン開発」(中内景太良社長)の分譲住宅計画に対し、地元の「出津自治会」(大熊久夫会長)は、並行して作られる集会所や公園の運営に「住民意見を反映して」と同社に呼びかけ、市側も交えて協議してきた。3者はこのほど、「お年寄りがふらっと寄って、飲食もできる“縁側”」などといったコンセプトをまとめ、今後、具体化していくことになった。まちづくりの一つのあり方として注目を集めそうだ。

 同地区内に「中央グリーン開発」が予定している分譲住宅は64棟。今年8月着工で来年8月の完成を目指している。同市は「開発要綱」で、50棟以上の住宅開発には「集会所の設置」を義務付けている。要綱は、「越谷レイクタウン」の大規模住宅開発を念頭に10年前つくられた。

 地区内にはすでに出津自治会館があるため、同自治会は、要綱に基づいて、新しくできる集会所、公園の運営や活用についての話し合いを同社に呼びかけ、市も交えた「南荻島未来会議」を結成した。昨年10月からの同会議で、3者は「管理・運営」「収入確保」「運営NPO立ち上げ」「川辺緑地の利活用」の4つの分科会に分かれて話し合ってきた。

 17日の出津自治会館での4回目の会議には約50人が参加。これまで住民らから出た「やりたいこと」や「あったらいいな」というアイデアを踏まえて、最終的な考えをまとめた。

 この結果、新しい集会所や公園のコンセプトは、@ものづくりを通してコミュニティーを育む「DEZU工房」Aいつでも子どもたちが楽しく遊べる「地域で子どもを育てる」B地域のお年寄りがふらっと寄って飲食もできる「高齢者のタウンメイトを育む縁側」―に決まった。

 同自治会長で埼玉大学工学部・特任教授の大熊さんは「2か所目の集会所なので、住民の意見を広く求め、たくさんのアイデアが出た。冠婚葬祭時に親類が地方から出てきた際には宿泊でき、世代を超えたカフェや居酒屋など設けて、住民が『日替わりオーナー』になって活用できそう」と話し、「赤ちゃんから小中学生、お母さんやお年寄りまで幅広いニーズに応えられるような設計を求めていく」という。

 集会所は木造2階建てで床面積約120平方bを予定。元荒川に面した公園と一体化し、公園には遊具なども設置し、河川敷も活用したコミュニティーゾーンになるという。

 集会所や公園の運営にあたる「中央グリーン開発」の戒能隆洋・取締役事業部長は「新しい入居者だけではなく、地域が一体となったまちづくりを進めたい。住民意見を取り入れた集会所を設計し、多くの方に利用してもらいたい」と話す。集会所は完成後、同社が市に寄付する。

 同市の佐々木清・市民協働部参事は「地域住民の居場所づくりにもなり、新しいコミュニティーの先進事例になる取り組み。地域住民、開発者、行政の3者が知恵を出して実現したのは意義深い」と話している。
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