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安全な視覚障害者支援・「ひかりの森」がDVD制作

2017.10.2(越谷市)
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 目の不自由な人にどう声をかければよいか―。越谷市のNPO法人「視覚障がい者支援協会『ひかりの森』」(松田和子理事長)がこのほど、ガイドや介助の方法を動画で知ってもらおうと、DVD「あるっく」(視覚障害者のサポートガイド)を制作した。視覚障害者に階段の昇り降りや車の乗り降り、入浴など日常生活の行動をしてもらい、専門家らが、どのようにガイドし、介助しているかを動画に収めた。ポイントは「声をかけ、周りの様子を説明し、何をしたいのかを確認すること」とか。具体的で分かりやすい内容だけに、「介護施設だけでなく、公共施設や公共交通機関の関係者など多くの人たちに安全なサポートガイドの方法を広めたい」(『ひかりの森』)としている。

 2009年に設立された「ひかりの森」は、視覚障害者の相談事業をはじめ、「歩行訓練」や「調理実習」などの「生活訓練」を行っている。最近、緑内障や糖尿病網膜症などによる「中途視覚障害者」が増えているため、昨年から「相談支援事業所」を開設し、越谷市や医療機関の福祉サービスの紹介などにも力を入れている。

 視覚障害者の駅での転落事故が相次ぐ一方、街で白杖を持った人を見かけても一般の人は声がかけにくい現実があるため、視覚障害者と健常者双方のコミュニケーションに役立つサポ―トガイドが必要として、DVDを制作することになった。

 「ひかりの森」理事で、弁護士の隅田敏さん(53)がプロジェクトリーダーとなり、8人のスタッフが脚本から撮影、編集までを担当した。タイトルの「あるっく」は、歩くと見る(英語のLOOK)をかけた造語だ。

 制作期間約2年、制作費約160万円。5000枚作成したDVDは長さ約48分。内容は「移動介助の基本」、「食事の説明」など10のシーンについて解説している。「階段の昇り降りのガイド」では、「手前でいったん止まり、階段があることを説明し、利用者の足元を見て、昇ってもらい、昇り終えたら階段の終わりを告げる」という。特に、身体に触れずに「言葉でガイドすること」が重要だという。

 また、「食事」では、ごはんやおかずの位置をアナログ時計に例えて案内。みそ汁が右側にあれば「3時の方向」、ごはんが左側にあれば「9時の方向」、奥のおかずは「12時の方向」といった具合。このほか、いすへの案内や車の乗り降り、トイレの案内など市内の老人ホームなどで、実際に視覚障害者に行動してもらい、専門家らのガイドや介助の様子を撮影した。

 DVDに出演した、社会福祉法人「東京ヘレンケラー協会」の歩行訓練士、小倉芳枝さん(40)は「視覚障害の方は目が日自由なだけで、手足などほかは元気なケースがほとんど。過剰な介助は必要なく適切な言葉かけが大切。DVDでは最低限必要なことをまとめました」と話す。医師の監修で、「糖尿病網膜症」「緑内障」などの病状ごとの「見え方」も今回のDVDに映像化し、実際に「どのように見えているか」が分かる。

 松田理事長(73)は「病気による視覚障害者が増えている。安全なサポートガイドを多くの方に知ってもらい、公共交通会社や学校などでも見てもらいたい」と呼びかけている。DVDは1枚5000円で「ひかりの森」で販売している。

 <問い合わせ>ひかりの森TEL962・9888。
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