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「招き猫」世界に発信・「柿沼人形」製作の木目込み人形

2017.1.9(越谷市)
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 空前の“猫ブーム”。今年、注目を浴びそうな猫が越谷市にいる。といっても、人形の「招き猫」。人形製造会社「柿沼人形」(柿沼智徳社長、同市新越谷)が木目込み技法を生かして作ったオリジナル人形。胴体に絹地やプリント柄、革など従来の木目込みにない素材を取り入れたユニークさが評価され、日本が世界に誇るべき地域産品を世界に発信しようという、経済産業省のプロジェクト「The Wonder500TM」(ザ・ワンダー・ファイブハンドレッド)に認定された。羽田空港などで外国人観光客らの目を引き、徐々に人気が高まっている。空港のほか、都内百貨店でも販売されている。国のお墨付きを得て、同社は「日本土産として大いに売り出したい」と張り切っている。

 同社は約20年前から、国や県の“伝統工芸”に指定されている「江戸木目込み人形」の技法を取り入れ、独自に考案した「招き猫」を製造してきた。昨年度から、公益財団法人「東京都中小企業振興公社」の「東京手仕事プロジェクト」に参画して、「メゾン・エ・オブジェ」(フランス)や「アンビエンテ」(ドイツ)といった世界規模の展示会に出展するようになってから、一気に人気が高まった。

 今回認定された「The Wonder500TM」は、“クールジャパン”政策の一環で2015年度から経済産業省によってスタートした事業。

 元々、同社のメインは「ひな人形」の製作・販売だったが、少子化などの影響で需要が減ったため、「通年、買ってもらえる商品」をと、「招き猫」に着目したという。独自性を前面に打ち出すために、伝統技法の「木目込み」とのコラボを考案し、すべて自社でひな人形職人が手作りしている。

 「招き猫」のラインナップは豊富だ。大・中・小(高さ10〜15・5a)とサイズは3種類だが、使う生地の種類やポーズの違いなどで約30種類ある。猫の目にスワロフスキー社(オーストリア)のクリスタルガラス、鈴にパワーストーン(天然石)をあしらい、胴体には絹地や革などの素材を取り入れた。胴体の色を変えた“風水シリーズ”など、「縁起の良い置き物」として工夫している。重さはいずれも100c程度で、価格も5000円程度からで、お土産用には手ごろ。

 現在、国内では東京都内の百貨店や美術館、羽田空港内で販売されているが、手仕事のため、月産200個から300個ほど。最近は外国人からの注文が増えて、製造が追いつかないという。柿沼利光常務(37)は「日本ではひな人形の需要が減っているが、招き猫のような商品を通じて、ひな人形や節句といった日本の伝統文化を海外の多くの方に知ってもらうきっかけにしたい」と話す。「招き猫」に次いで、これからは同様技法で「フクロウ」や「えとの動物シリーズ」にも挑戦するという。
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