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生産者らで「匠の会」結成・「越谷ねぎ」規格統一へ

2017.1.1(越谷市)
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 冷え込むこの時期、鍋に欠かせないネギ、焼いても独特の甘みが口の中でとろける。ネギはまさに代表的な冬野菜。県東部地区では、“ブランドねぎ”の確立に向けて今、生産者らが熱い思いをたぎらせる。越谷市では生産者が「越谷ねぎ匠の会」を発足させ、共同出荷や品質向上の勉強を続け、吉川市では県内唯一の夏ネギの国指定産地として、「吉川ねぎ」のブランド化に生産者と行政が力を入れる。さらに、八潮市では消滅したとされる幻の「潮止晩生葱(しおどめおくねぎ)」の復活に向け、生産者らが「研究会」を立ち上げた。ネギにかける取り組みを追った。

 「越谷ねぎ」のブランド化や消費拡大を目指し、越谷市内の生産者が「越谷ねぎ匠の会」(染谷朋和会長、会員13人)を結成したのは、2015年11月。メンバーは20代から60代。栽培技術の研究や大手スーパーへの「共同出荷」を行っているが、「深谷」などに比べ知名度が低いため、会員たちの悲願はブランドの確立だ。

 「越谷ねぎ」には200年以上の歴史がある。「一本ねぎ」と呼ばれる高品質が特徴。一部は東京都足立区の千住市場で取り引され、「千寿ねぎ」として、高級料亭などで重宝されている。白身がしっかりし、煮崩れせず、辛味と甘さが絶妙。煮て、焼いて、揚げて、さらに薬味でも―どんな食べ方でもおいしい。同市内の年間生産量は2110d(06年度、農林生産統計から)で県内第4位となっている。

 「匠の会」は、「越谷市場」を通して、県内の大手スーパーに年末のピーク時には1週間で2000本を出荷、すべて「越谷ねぎ」の専用袋に入れて販売している。同会は独自規格で、白い部分の長さ30a、直径2a以上のものを「越谷ねぎ」とし、中でも直径3aを「大横綱」、同2・6aを「横綱」、同2・1aを「大関」とランク付けしている。統一規格で品質を確保し、ブランド化への足掛かりとする狙いだ。

 染谷会長(39)(同市向畑)は農家を継いで13年目。年間約30dの「越谷ねぎ」を出荷する。「白い部分を長くするには、毎日、土をかけるなど手間をかけなければならない。土の状況と気温など気象状況を把握しながら栽培しないと、太くならない」と話す。

 染谷さんは、同市が昨年度からスタートさせた「越谷ねぎ」生産のスペシャリストを育てる「新規就農・農業後継者育成支援事業」の研修生2人の指導にもあたっている。

 「匠の会は歩み出したばかり。全国一の品質を目指して会員同士が切磋琢磨し、これまで以上に『越谷ねぎ』をPRして、ブランド化と販路拡大を目指す」と染谷さんは新年の決意を語る。
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