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フィレンツェの橋描く・美術協会展本社賞の久保田さん

2016.11.7(越谷市)
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 「第44回越谷美術協会公募展」(越谷美術協会主催、東武よみうり新聞社など後援)が10月12日から16日まで、越谷コミュニティセンター・ポルティコホールで開かれ、1056人が来場した。

 展示されたのは協会会員の油彩、水彩、日本画、水墨画と市内在住・在勤の一般公募作品87点。審査の結果、「東武よみうり新聞社賞」に大房の久保田夏子さん(77)の油彩「追憶|いにしえの花の都」(50号)が選ばれた。

 久保田さんの作品は、イタリア・フィレンツェにある「ヴェッキオ橋」の風景を描いた。近くのウフィッツィ美術館2階から眺めた光景で、下を流れる「アルノ川」の水面に映る橋が美しい。久保田さんは塩野七生さんの歴史文学作品「ローマ人の物語」を読んで、イタリアに憧れ、4年前にツアーで旅した。ツアーのため、滞在時間が限られているので現地ではスケッチできず、写真を数多く撮影して、自宅で描いた。

 久保田さんは「下描きに時間がかかり、橋と川の遠近感を表現するのが難しかった。川に映る橋の質感や色を出すのに苦労し、絵を完成させるのに1年かかった」と話した。久保田さんは同公募展は初の受賞。また、今年は「越谷市展」でも初入賞。埼玉県展でも初入選を果たし、「今年は受賞のあたり年。特に今回のイタリアの絵はこれまでで一番難しい絵に挑戦したので、受賞は本当に励みになります」と喜びを語った。

 久保田さんは新潟市生まれ。地元の新潟大を卒業後、小学校教諭となり、結婚を機に越谷に来て、越谷市立出羽小、大間野小、弥栄小、千間台小などで教諭を勤めた。離婚も経験。2人の息子を女手一つで育て上げた。定年退職後も越谷市の「教育相談所」の相談員として、5年間、不登校の児童生徒に勉強を教えた。

 絵は幼い頃から好きで、20代後半に石膏デッサンを学ぶが仕事が忙しく2年で辞め、定年退職後の68歳から、油絵を始めた。最初は市内で開かれている「障害者の絵画教室」にボランティアで受講者の補助をしていたが、講師に勧められて、始めることに。

 油絵を始めて約10年。今年4月に同美術協会に入会し、週1回、市内の公民館でデッサンなど勉強している。ボランティアも続けている。登山も趣味で、月1回は国内の山に登っている。「これまで、風景ばかり描いてきたので、これからは人物にも挑戦したいですね。これからが自分の人生。一生絵を描き続けたい」と絵への熱意は衰えない。
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