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地域が支える「子ども食堂」・温かい食事に広がる笑顔

2016.10.10(越谷市)
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 さまざまな事情で、独りぼっちの食事―“孤食”の多い子どもたちが共に食事できる「こども食堂」。各地に誕生しているが、5月にオープンした、越谷市千間台西の「せんげん台こども食堂」は、2週間に一度の“開店”だが、宿題をしたり、遊んだりと、放課後の子どもたちの居場所にもなっており、毎回、20人ほどが訪れて好評だ。元小学校教諭の草場澄江さん(53)の呼びかけに応えて、調理師や栄養士の資格のある主婦ら16人が運営し、市や市社会福祉協議会が後援するほか、地域住民も食材提供などに協力している。「いずれは常設のこども食堂に」と草場さんたちは準備を進めている。

 家庭の事情などから、一人の食事が多く、夕食もコンビニ弁当といった子どもたちが増えている。そんな状況を少しでも改善して「温かくて、おいしいご飯をみんなで食べてほしい」と、生まれたのが「せんげん台こども食堂」(草場澄江代表)。

 草場さんは、元小学校教諭の経験を生かし、小学校の「読み聞かせ」ボランティアや、中学校の夏休みや放課後を利用した「補習授業」などを行ってきた。また、民生児童委員として、貧困家庭や一人親家庭などの訪問を通して、「子どもだけで過ごす時間の多い子たちが想像以上に多いことが分かり、何とかしなければ」と思った。

 昨年から準備を始め、今年3月には地域の人たちに声をかけて組織を立ち上げ、5月に「せんげん台こども食堂」をオープンした。

 学校から帰った子どもたちは、「千間台西一丁目自治会館」で宿題をしたり、ゲームで遊んだり、思い思いに過ごす。午後4時頃には10人ほどになり、元気な声が響き渡る。同6時過ぎには、隣接の「千間台記念会館」に移り、ここが「食堂」となり、お楽しみの夕食をみんなで食べる。参加費は子どもが100円、保護者が300円だ。

 9月15日のメニューは、ハンバーグ、キャベツのソテー、五目きんぴら、かぼちゃのスープにごはん。おやつに「だんご」と「ごまクッキー」が付く豪華版だ。ボランティアの母親らたちが調理して、スタッフも子どもたちと一緒に食べる。

 「なぜ、ここに来るのなどと、子どもたちには尋ねない。誰かとごはんが食べたくなったら、ふらっと来られる場所を目指したい」と草場さん。

 この日参加した、小学4年女子(10)は「宿題を見てもらったり、卓球したり楽しかった。かぼちゃのスープは、とろとろで甘くておいしかった。また来たい」と笑顔で話す。小学3年男子(9)も「遊んでいっぱい汗をかいた。ハンバーグがすごくおいしかった。ごはんも4杯食べた」と満足そうだった。

 同食堂は、同市社会福祉協議会の今年度「愛の詩基金事業」に認定され、活動資金17万円を交付されている。草場さんは「地域内には、もっと来てほしい子たちがたくさんいます。今後は常設するのが目標で、準備を進めていきたい」と話している。
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