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「精神保健相談」2000件超え・越谷市保健所開設1年

2016.7.25(越谷市)
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 越谷市保健所が開設されて1年が経ち、同保健所が昨年度の統計をまとめたところ、「うつ」や「統合失調症」など「こころの健康」にかんする「精神保健福祉相談」が2437件にも上ることが分かった。同保健所では「市内に保健所ができたことで、身近な場所で相談できるので、増えたのでは。まだまだ潜在的な相談者はたくさんいると思う。これからますます増えるのでは」という。中でも「ひきこもり」に関する相談が最も多く、専門家を講師に招いての独自の「ひきこもり相談事業」を実施するなど市をあげて力を入れていく。同保健所ではこうしたニーズの対し、専門職など人材育成にも取り組んでいく。

 同保健所は昨年4月、同市の「中核市」移行に伴い、開設された。食品衛生、環境衛生、医事・薬事などの専門的・技術的な取り組みを行う施設。県内で市立保健所があるのは、政令市のさいたま市と川越市だけ。市立病院前に建設され、鉄骨造り4階建て、延床面積は約3800平方b。総工費は約12億円をかけた、中核市移行の目玉事業。

 同保健所は1階に「市夜間急患診療所」を設けたのが特徴。2階は感染症などの問診を行う診察室や採血室、会議室などを配置。3階には理化学検査室、臨床検査室、食品細菌検査室、ウイルス検査室などを配置し立ち入りが制限される区域だ。

 昨年4月の開所以降、市民のニーズが高まっているのが、「精神保健福祉相談事業」だ。「うつ」「統合失調症」や「睡眠障害」「アルコール依存」などの相談を電話や面接、訪問などで受けるものだ。特に「ひきこもり」に関する相談だけで227件もあった。

 同保健所精神保健支援室の小野敦郎・室長は「ひきこもりに関する深刻な相談が多い、中には30年以上も引きこもり、親が高齢化していて、『これから、どうしたらいいか』といった相談ケースが目立つ。身近に相談できる場所ができ、利便性とスピードが高まった。ただ、相談できない方も多くいると思われ、今後は掘り起しにも力を入れていく」と話す。

 このほか、エイズなどの感染症相談・検査も実施。HIV、梅毒、B型肝炎、C型肝炎などの検査が無料で受けられるとあって、昨年度、446人が検査を受けた。また、「風しん抗体検査」も無料で実施しており、こちらも一年間で464人が受けた。

 野犬の捕獲や負傷動物の収容を行う「越谷市動物管理センター」もある。昨年度はイヌ58頭を収容。41頭を飼い主に返還し、13頭を希望者に譲渡。殺処分はゼロだった。同じくネコは90匹を収容。70匹が譲渡され、2匹が飼い主に返還された。こちらも殺処分はゼロ。

 同保健所では、独自に「ネコの不妊・去勢手術費の交付」を行っており、不必要な繁殖によるネコに増加を抑えている。メス6000円、オス4000円をそれぞれ上限とする額を補助する。

 同保健所の渡邉智行・保健総務課長は「現在、職員は県からの支援もあるが、今後は独自に人材を育成していく必要がある。レベルアップを図り、市民の健康と安全を守る拠点施設となるよう、スピード感を持って行いたい」と話している。
 県東部地区唯一の市立保健所として、市民ニーズに細やかに対応する「機動力」が今後は求められる。
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