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地元民話や創作劇を上演・35周年の市民劇団「ともしび」

2016.1.4(越谷市)
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 越谷市民劇団「ともしび」は昨年11月に、創立35周年公演を無事に終えた。公演回数は51回目を数える。演劇好きな市民16人が集まって、創作劇などの挑戦している。

 劇団の誕生は1980年。市内大沢にあった居酒屋「灯(ともしび)」に集まる「飲み仲間」が酒の席で「文学」や「芸術論」を戦わす中、その居酒屋のおかみさんだった茅野弘子さん(81)が「皆で演劇をやろう」という一声で始まった。「ともしび」はその居酒屋の名前からとった。茅野さんは元新劇女優で現在も蜷川幸雄さん率いる高齢者劇団「さいたまゴールド・シアター」のメンバーとして活躍中だ。

 翌81年に、木下順二作「夕鶴」が初公演となった。役者はもちろん、大道具から小道具、衣装、照明、音声まですべて自前でやるのが「ともしび」流。そして、活動3年目で越谷の民話をモチーフにした創作劇「片目地蔵異聞」ができた。メンバーの一人で人形作家の山崎昭二さん(72)が書きおろした作品。この「地域文化を掘り起こす」功績が評価され、1986年の「国民文化祭」に埼玉県代表として、日本青年館の舞台で演じた。

 その後も、オリジナル劇を7つ作り、「市民文化祭」などで公演している。代表の松林ふき子さん(72)は「演劇好きな市民が集まった、サロンのような団体です。既存の劇だけで満足せず、創作劇に挑戦続ける劇団でいたい」と話す。

ふだんの練習場所は越谷市中央市民会館。毎週木曜日の夜にメンバーが集まって、稽古に励んでいる。20代から70代のメンバーが集まるユニークな団体だ。昨年、11月の35周年記念公演は「越谷市市民文化祭」の舞台で、オリジナル劇「とわいらいと」を演じた。

 劇団員の一人、山形みえこさん(52)は「20代の頃、小劇場を立ち上げたこともある。ともしびに入ってまだ2年目ですが、やはり演じるのは楽しい」と笑顔。ともしびで「女優」をしている、舛田恵美子さん(54)は「人前で演じるのが好き。舞台はやめられません」と楽しそう。

 越谷市の広報を見て、入団したのは、山崎佐知子さん(47)。「劇団員のメンバーは最初は怖かったけど、すぐに打ち解けた。劇では『愛人』役をやることが多く、台詞も多いので覚えるのが大変だけど、楽しい」と山崎さん。

 男性も頑張る。市内中学校職員の鈴木喜雄さん(56)は「幼い頃、吃音に悩まされた。昔から人前で表現することが夢だった。今は演劇を舞台でできて楽しいし、劇団の仲間たちと話すのが最高だ」と話す。エキストラの女優としても活躍する安達容代さん(41)は「演じるのが何より楽しい。仲間とのおしゃべりも最高」と話す。

 松林代表は「これまでの公演で満足せずに、新たなものを創り出す劇団になりたい」と今後を見据えている。
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