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トルコの教育を話す・文教大で「世界の教科書展」

2015. 12.7(越谷市)
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 越谷市の文教大学で10月30日から11月1日まで、「第22回世界の教科書展」が開かれ、世界15か国373冊の教科書を展示。今回は珍しいトルコの教科書125冊を展示した。同大学の教育研究所が実施している事業で毎年1回、同大の学園祭「藍蓼祭」に合わせて開催している。

 今回、特集したトルコの教科書は、国語や算数のほか、宗教や情報技術、哲学など125冊を同大8202教室を会場に展示した。10月31日には、早稲田大学イスラーム地域研究機構次席研究員の長谷部圭彦さん(40)による特別レクチャー「トルコの教育事情〜教科書から見えてくるトルコのいま〜」が行われ、小学生から一般まで約30人が聴講した。

 長谷部さんは、1923年にトルコ共和国が建国された歴史について、説明した後、トルコには日本にはない宗教や交通安全といった授業があるほか、小学校低学年までは体育の授業に多くの時間が割かれていたり、科学の教科書でイスラームの世界の知識人が紹介されるなど、実際にトルコでどのような授業が行われているかを紹介。
 「トルコでは、宗教教育が義務化されているのが特徴。国民の99%がイスラーム教徒という背景があるが、宗教の専門家『導師・説教師』の養成学校も別にある。日本では仏教は倫理や日本史で触れられるが、神道についてはほとんど言及がない。トルコは宗教教育に力を入れて、国の安定化を図っている」と長谷部さんは語った。

 長谷部さんの話を聞いた、同大教育学部3年の山岸哲大さん(21)は「いかにトルコという国がイスラーム教という宗教の影響を受けているかということがよく理解できました。その視点でトルコの教科書を見直すと、トルコの教室にいるような気持ちで、その教育に思いをはせることができました」と話していた。
 同研究所所長の今田晃一教授(56)は「学校教育で取り組まれている『国際理解教育』は人間としての共通性と差異性を理解し、異文化を学ぶという目標があります。まずは正しい知識を理解することが国際理解の第一歩で、長谷部さんのレクチャーによって、いかにトルコの教育が宗教の影響を受けているかが分かりました。改めてトルコの教科書を見る視点が変わりました」と話していた。
 特別レクチャーはすぐに、同研究所がダイジェスト版を作成し、会場にあるタブレット端末の「iPad」で閲覧できるようにし、会場を訪れた人が映像を再生していた。このほか、日本のデジタル教科書を実際に見て体験できるコーナーもあり、訪れた小学生たちは熱心にiPadを操作していた。

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