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空き家再生でまち活性化・住民の活動拠点「みんなの家」に

2015.11.10(越谷市)
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 空き家をコミュニティー施設に“再生”し、地域活性化を―。越谷市のNPO法人「越谷市住まい・まちづくり協議会」(若色欣爾代表)は、所有者が持て余し、近隣住民の不安の元にもなっている空き家を再生するユニークな取り組みを始めた。寄付金などでリフォーム費用を工面し、住民の活動拠点となる施設によみがえらせるもの。再生された施設を「みんなの家」と名付け、同市下間久里の築50年の戸建て住宅が第1号として、近くオープンする。空き家問題が全国的な関心を呼ぶ中、まちづくりや地域活性化に空き家を積極的に活用する試みは、多くの注目を集めそうだ。

 同協議会が「みんなの家」第1号として整備するのは、同市下間久里地区の1965年に建てられた戸建住宅。敷地約110平方b、木造2階建て(延床面積約63平方b)。一人暮らしの所有者の女性(91)は特養ホームに入所したため、空き家になった。
 その後は娘が管理していたが、娘も亡くなり、現在は栃木県宇都宮市の30歳代の孫が管理している。しかし、庭の除草もされず、近所からも苦情があり、防犯上も不安があった。困り果てた孫が、同協議会が開いた「空き家何でも相談会」に相談した結果、「地域で活用してもらう」という結論にまとまった。家は売却せずに、同協議会と住民が管理して、地域の住民活動に役立てることになった。
 “空き家再生”の第一歩は、家財整理。再利用してもらおうと「ガレージセール」を企画し、住民に使えそうな家具を安価で引き取ってもらった。庭の除草や家の中の掃除などは、同協議会と住民がボランティアで行った。難関はリフォームで、床や壁紙、水回りなど修繕費、約200万円がかかる。このうち50万円は孫が出し、残り150万円は同協議会が寄付を集めるなどして、負担することにした。
 同協議会の若色代表(65)は「行政の補助金など、どれも審査が通らず断念した。このため自前でリフォーム費用を集めることにした。みんなの家は『まちのリビング』として、地域住民が気軽に訪れることができる場所にしたい」と話す。年内にもリフォームに着手し来年春、「みんなの家」としてオープンする予定だ。
 若色さんは「『空き家イコール街の負の財産』」という考えから『空き家をてこにして街を再生する』」という逆転の発想で、集会だけでなく、ふだんも住民が出入りできることで街の活性化につながる」としている。
 同協議会は今後、「越谷まちづくり会社」を設立して、市内の空き家・空き地バンクの運営や相談会の開催などをして、まちづくりに役立てたいとしている。同市内には約1万6000戸の空き家があり、市は今年4月に「空き家等の適正管理の関する条例」を独自に制定し、対応している。

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