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市内に「24時間看護付き施設」を・開設資金をネットで呼びかけ

2015.8.3(越谷市)
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 24時間看護体制のある「緩和ケア・ターミナルケア」施設を作りたい||。越谷市の看護師で元越谷市医師会立訪問看護ステーション管理者の山本美紀子さん(63)はこのほど、NPO法人「未来のいえ」を設立し、同施設を作るための資金集めと市への協力を呼びかけている。6月からインターネット上の寄付サイト「クラウドファンディング・レディーフォー」で寄付を募っている。開設資金は約1500万円が必要で、これまでに約500万円を確保したが、まだまだ目標額に足りない。そこで同サイトを使って、280万円を目標に寄付を募ることにした。同サイトは8月29日までの期限付きサイトのため、山本さんは「多くの方の寄付をお願いします」と呼びかけている。末期がんの患者や重度障害、要介護者が住み慣れた地域・家庭で最後まで自分らしく生きるという理念を実現するために、在宅介護を支えるために医療処置のできるショートステイの施設づくりを目指す。

 山本さんが考える施設は、24時間の看護体制で、末期がん患者や難病患者、重度障害者などたくさんの医療処置が必要とされる人が、自宅以外でリフレッシュしリラックスできる場(ショートステイ)を作り、ゆっくりお風呂に入ってもらい、おいしいものを食べてもらう。ショートステイ(1日〜8日程度)してもらうことで、介護する家族の心と体の休息ができる。さらに在宅介護する人の緊急な用事を支える「緊急時対応」や24時間の電話相談窓口に設置などだ。
 場所は越谷市神明町の旧越谷市小児夜間急患診療所を希望している。今年3月1日に東越谷の市保健所1階に移転したため、その跡地として、建物を市に譲ってもらおうという考えだ。敷地約944平方bに鉄骨造り2階建ての建物(延床面積約510平方b)で築13年の施設。建物を改修して、機械浴のできる特別浴室や料理を作るための厨房、ショートステイ8床の個室などを作る計画。
 7月7日、山本さんと越谷市の初めての話し合いが行われ、市側は鈴木俊昭福祉部長ら8人が出席して、「24時間看護体制のショートステイはどの制度が当てはまるのか」という具体的な話し合いをした。重症者対象の「短期入所療養介護施設なので、母体が医療法人に限る」などの壁があるなど、いくつかの課題が見つかった。今後は施設の形態や運営方法など市側と協議を続けていく。
 山本さんは、看護師として大学病院や民間病院に勤めた後、1995年4月に地元医師会立の訪問看護ステーションを立ち上げ、16年間管理者として、越谷市内の在宅介護の現場に関わってきた。 介護保険が導入され、助かった人もたくさんいるが、一方で人工呼吸器などの医療器具をつけた人や末期がんの人は既存の老人保健施設や特別養護老人ホームなどの施設では対応してくれない。
 「一番介護が大変な人が置き去りにされている。在職中に、そんな家族から『一晩でもぐっすり眠りたい』という声をよく聞きました」(山本さん)という現実にぶつかり、「介護の共倒れで、介護に疲れた人が殺人で命を絶つなどの悲劇が絶えない。そんな社会をなくしたい」との切なる願いが山本さんを動かした。昨年10月にNPO法人を立ち上げた。
 開設資金のほかにもう一つの問題は、同診療所跡地利用だが、越谷市の新井厚美・地域医療課長は「小児夜間急患診療所跡地は、これまで医療機関だったので、今後も医療機関として使ってくれるところに、有償で売却することを検討しているが、今のところ白紙だ。今後、山本さんの要望も含めて、総合的に判断していく」と話している。
 山本さんは、実現を目指して市と協議を進めていく。


 <寄附金の送り先、問い合わせ先>レディーフォーhttps://readyfor.jp/、NPO法人未来のいえTL977・8917。
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