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大久保さん県知事賞・県展彫刻「回帰」で

2015.6.22(越谷市)
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 彫刻の部で見事、最年少で県知事賞を受賞したのは、越谷市の美術専門学校2年生の大久保貴志さん(19)。初出品でトップの県知事賞受賞に「びっくりしました。最初なので(賞はとれなくても)入選すればいいかなと思ったので」と驚きを隠さない。
 「回帰」と題された作品は高さ1・3bもある大きな石の彫刻。長さ160a×幅100aの黒御影石の台座に95a四方の白御影石の真ん中に真円の穴をあけ、ななめに台座に乗っている不思議な彫刻。手前には、長方形の白御影石を配し、「門」を表しているという。
 「彫刻全体で神社を表している。白御影石の丸い穴は『茅の輪くぐり』で使う『茅の輪』をイメージしました」と大久保さん。今年1月から粘土で模型づくりから始め、イメージが出来上がったところで、専門学校の先生と一緒に茨城県つくば市の石屋で材料となる石を購入し、2月から約4か月かけて、学校の教室を使って制作した。
 制作はグラインダーと呼ばれる石を削る機械とドリルを主に使って行った。重量があるため、移動が大変だった。「円にして削るのが、苦労しました。少しずつ穴をあけて、円として歪みがでないように慎重に削った。黒御影石との接点にはそれぞれ直径5aほどの穴をあけ、そこにステンレスの棒を差して固定しました」と大久保さん。黒御影石に直角ではなく、45度の角度をつけて固定しているのが特徴だ。サンダーと呼ばれる石を研磨する機械を使って、円の中をぴかぴかに仕上げた。
 現在、県内の美術専門学校彫刻科に通う大久保さん。来年は都内の美大に編入入学する予定だ。「大学で教員免許を取得し、将来は中学か高校で美術教師になりたい」と大久保さんは夢を語る。母親の春枝さん(62)は市内の読売新聞販売店「YC新越谷」(木村哲也所長)に勤める店員。25年間も朝刊を配達し、家計を支えている。
 「貴志は幼いころから、工作が好きで、いつも女の子と一緒に折り紙を作っていました」と春枝さんは笑う。父親の元会社員、潤さん(67)は自宅近くでコマツナ作りに熱中している。このほか兄が2人いる5人家族だ。貴志さんは「(受賞で)大きなチャンスをいただいた。自分の作品を美術館に飾ってもらえるよう勉強を続けます」とさらに美術の道を進む決意ができたようだ。

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