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ミニバス利用者1日28人・新方地区での試験運行

2015.2.2(越谷市)
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 交通空白地帯の解消を目的に、越谷市北部の新方地区に昨年9月1日から、ミニバス(10人乗り)の試験運行が始まった。しかし、1日あたりの平均利用者数は約28人にとどまり、今後の事業化が懸念されている。同地区は県道が狭く、整備されていないなどを理由にこれまで、まったくバスが走らない「交通空白地帯」だった。長年、住民から「路線バスの運行」を要望する声があったが、今回、ようやく市が試験運行をする形で実現した。ミニバスは「せんげん台駅」から「新方地区センター」を走る1日11往復(約7・7`、所要時間約30分)で運行されている。試験運行は今年2月28日までの6か月間。「公共交通基礎調査」を行い、市の公共交通に関する課題を把握し、ミニバスの採算性が合うか検討するが、困難が予想される。

 同市によると、ミニバスの利用状況は昨年9月1日から11月30日までの3か月間で利用者数は2620人。1日あたりの平均乗客数は28・8人となっている。曜日別では水曜と土曜日の利用者が多く、日曜日が少ない。時間では朝7時台の第2便の利用者が多いという。予想を大幅に下回る利用者数について、同市の鈴木功都市計画課長は「1時間に1本しかなく、利用しにくかった可能性がある。地域の方には告知していたのだが、まだいきわたっていないのか。新たな利用者の掘り起こしをする必要がある。ただ、試験運行なのでこれを基礎データに検討していく」という。
 同市の新方地区は最寄りの東武スカイツリーライン「せんげん台駅」から3`以上離れ、地区内を走る「県道平方東京線」は最も狭いところで幅員約3・5bしかなく、車がすれ違うのも困難な場所があるなど、交通不便な場所。今回、越谷市新方地区自治会連合会(高橋剛三会長)から一昨年1月に「新方地区へのコミュニティバス路線の運行の要望書」が同地区住民3570人の署名とともに、同市の高橋努市長あてに提出され、実現した。
 今回の試験運行は同市が調査機関の一般財団法人計量計画研究所(東京都新宿区)に委託して、実施している。契約額は約1965万円。同研究所は市内の東部中央ハイタク協議会加盟の市内のタクシー会社・大都交通に運行を委託。停留所別や時間別などの利用状況を調査し地域公共交通を取り巻く課題を把握する。
 運行車両は10人乗りのワンボックス(車いす2人、運転手1人含む)。運行時間は午前6時台から午後7時台までの22便(11往復)。ルートはせんげん台駅東口から、国道4号バイパスを越えて、新方小学校などを経由して新方地区センターまでを結ぶ。バス停は18か所。運賃は一律300円(小学生・障害者手帳を取得している人は150円、未就学児無料)。
 市に要望した新方地区自治会連合会長の高橋剛三さん(70)は「新方地区は住民も高齢化していて、バス路線の確保は最重要課題。今回、利用者が少ないのは、1時間に1本しか走っていなくて不便なのと、運賃が300円と割高なのが原因かもしれない。しかし、住民の足として絶対必要なので、試験運行を経て、本格運行をめざしてほしい」と話している。
 同市都市計画課では「試験運行後、関係者を集めて、今後の動向を検討していく。採算性の問題もあるが、どんな方法があるか、慎重に議論していきたい」と話している。
 市内初のミニバス運行は、市内のほかの交通不便地域への課題解消への足掛かりともなる。高齢化社会を迎え、こうした小回りの利く「足の確保」は重要だ。

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