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初の「市民後見人」誕生・菰田さん、社協と連携し活動

2015.1.26(越谷市)
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 越谷市に初の市民後見人が誕生。同市平方の元会社員、菰田宣之さん(69)が、さいたま家庭裁判所越谷支部から「市民後見人」に選任された。県内では2人目。同市では市民後見人と越谷市社会福祉協議会が共同で受任する複数後見の体制を取り、被後見人への支援を行う。この体制による市民後見人の受任は県内初。現在、後見人は親族以外では弁護士や司法書士、社会福祉士などの専門職が担っているが、専門職が受任できる件数には限りがあり、今後、高齢化がますます進み後見人の需要が高まることが予想されるため、研修を受けた市民が後見人となる「市民後見人」の確保が急務とされている。

 成年後見制度は、認知症や知的障害、精神障害などで判断能力が不十分な人が日常生活での手続きや契約を適正に行うことができるように、家庭裁判所に選任された成年後見人が預貯金の管理や福祉サービスの手続きなどを行うもので、2000年に開始された。同制度の新たな担い手として「市民後見人」が期待されている。
 越谷市では、2011年10月に越谷市社会福祉協議会内に「成年後見センターこしがや」を開設し、成年後見制度に関する公的な相談機関として、同制度に対する様々な相談に応じている。2013年度の相談件数は年間573件、今年度も昨年11月までに406件と多く、市民の関心の高さをうかがわせている。
 そして、市民後見人を養成しようと2013年度に「第1期越谷市市民後見人候補者養成研修」を実施。30人が受講し、約60時間に及ぶ専門研修を受けて、29人に修了証が交付された。修了者は市の「市民後見人候補者名簿」に登録される。今年度も同修了者に対して継続的な研修を実施。現在も23人が研修を受けている。菰田さんは同研修を修了した一人。市が候補者を選考した後、家庭裁判所に申し立てを行い、昨年12月16日に同裁判所に正式に選任された。
 菰田さんは、元造船会社の技術者。退職後、地域の民生委員になり、担当地区をまわったところ、認知症で困っている市民が多いことに気づき、「役に立ちたい」と養成研修に応募した。会社員時代に法務関係の仕事もしていた関係で、裁判所に行くことも多かったことから挑戦する気になったという。菰田さんは「市民であっても弁護士などの専門職と同じレベルの後見活動をしなければなりません。その点はしっかりと覚悟を持って臨みたい。ただ、越谷市には成年後見センターがあり、何か問題が起きても解決策を共に考えてくれるので心強い。被後見人の立場になって手助けをしていきたい」と決意を述べている。
 人懐こい、菰田さん。ふだんは民生委員活動として、主に高齢者宅を訪問して、話し相手になっているのが日課。「顔と名前を憶えてもらい、話しかけられるとうれしい」と笑顔。自身の元気の源になっているという。
 「複数後見」は1人の被後見人に対し、複数人によって支援を行うもの。市民後見人と同社会福祉協議会が連携して後見活動を行う。これにより、市民後見人が孤立しないで安心して活動できる。同市の藤城浩幸・障害福祉課長は「市民後見人は財産の管理という業務だけでなく、地域で見守り支える役割を担う。今後は地域で支え合う仕組みが活発になることを期待したい」としている。


 「成年後見センターこしがや」は越谷市中央市民会館1階にある。相談内容に応じた適切な支援を行うため、弁護士や司法書士、社会福祉士などの専門家の意見を聞きながら相談に応じている。内容によっては同社協が実施している福祉サービスも案内している。相談日は月曜日〜金曜日午前8時30分〜午後5時。相談料は無料。
 <問い合わせ>成年後見センターこしがやTEL966・2281。

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