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立澤さん親子に「埼玉農業大賞」・トマト栽培から販売まで一貫経営

2014.12.16(越谷市)
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 越谷市東町の農業、立澤淳一さん(61)と輝彦さん(38)親子が11月8日、埼玉県の「第5回埼玉農業大賞」(農業アドベンチャー部門)を受賞した。立澤さんはトマト作り40年を超えるキャリアを持ち、販売部門を法人化したのをはじめ、色や風味が異なるトマトの品種を生かした10種類のトマトジュースを商品化し、栽培から製造、販売までを一貫して行うことなどが評価された。淳一さんは「自分の経営が認められてうれしい。これからも多くの消費者に購入してもらえるように研究を続けていきたい」と喜んでいる。10月末には農水省から第6次産業化(農業が食品加工・流通販売にも業務展開する経営形態のこと)の認定証が交付され、来年度に本格始動する計画もある。

 淳一さんはトマト作り一筋42年の専業農家。ハウスに稲わらを使ったたい肥と魚粕系たい肥など混ぜて土を作り、苗を植えて不耕起栽培で水を落とし土をカラカラに乾かして自然光をたっぷりと浴びせて育てている。自身で考えたこの栽培方法がトマトの独自の甘みを作っている。現在、「桃太郎はるか」「桃太郎ゴールド」など20種類以上のトマトを栽培している。
 この自慢のトマトを全国の人に味わってもらおうと、2010年9月から、100%完熟トマトジュースの開発し、製造販売を始めた。すべて手作りで無塩無添加無香料のストレートジュース。構想から5年かけて「長年の夢だった」(淳一さん)トマトジュースが完成した。すっきりとさわやかな味のジュースは市の「こしがやブランド」にも認定された。
 今年8月には「立澤農園 にじいろトマトジュース」の商品名で特許庁に商標登録された。びんやギフト用の箱などを新デザインにした。びん(180_g、160_gの2種類)のデザインを一新。白地に商品名が書かれ、イラストも添えた。ギフトには8本が入る専用の箱もイラストを入れて作った。毎年4000本から5000本を製造し完売する好評の商品だ。
 このほか、1996年度に販売部門を法人化し、農産物の直売経営を確立。トマトのほかパンジーやビオラなどの花も栽培販売し、これらの生産現場を一般公開するなどして、消費者との交流を深め、リピーターの確保につなげたことなどが評価された。
 淳一さんは「これまでのトマト一筋の経営が認められてうれしい。直売を始めて20年になりますが、農業をとりまく環境は様変わりしました。栽培から商品の製造、販売まで一貫してできるようになったことが経営の安定化につながった。来年度はさらに新事業に取り組みたい」と意欲を見せる。
 息子の輝彦さんは元美容師だが、父親の農業にあこがれて12年前から専業農家になった。「トマトジュースの製造に一から始めた。いろいろな種類のトマトの成分を観察し吟味して試行を重ねていった。失敗も多いですが、思い通りの味に仕上がると、喜びは大きい。農業は自分で考えて仕事ができるので、すごく楽しい」と笑顔で話す。
 今年初めの大雪でハウスが壊れるなどの被害が出たが、幸いトマト栽培には影響が出なかった。「同じ品種のトマトの栽培でも、少し土が違うと味が変わってしまう。その土の能力を生かすのも農家の仕事。今後はITを使った販売方法を模索するなど、さらに新たな農業に取り組んでいきたい」と淳一さんは次を見据えている。

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