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今年もXマスカードを被災地に・中央大名誉教授の田中さん

2014.11.17(越谷市)
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 東日本大震災被災地の子どもたちにクリスマスカードを贈ろう。越谷市東越谷の中央大学名誉教授の田中拓男さん(77)が、今年も「国境を越えて心と心をつなぐクリスマスカード」プロジェクトを立ち上げ、全世界にインターネットなどを通して呼びかけている。今年で4回目。震災直後の2011年から続け、3年を区切りにしようと始めた活動だが、カードを贈ってくれた人や企業から「今年もぜひやってほしい」とのエールを受け、続けることになったもの。これまで届いたカードは3年間で世界60か国と日本各地から約6万通。累計で被災地300校の小学校に届けた。今年も田中さん自ら被災地の学校に出向きカードを届ける。

 東日本大震災から3年8か月が過ぎ、被災地では、故郷の復旧復興に向け力を合わせながら懸命に前に進んでいる。しかし、大津波に襲われた街の様変わりの風景は、あちこちでまだそのままに残されており、仮設住宅などにいる被災者の多くは、依然として厳しい生活環境に耐えながら頑張っている。震災復興の問題は風化させてはならない日本の大切な問題だ。
 田中さんは「被災地の子どもたちは家族や親類、友人らを大震災で失い、辛くて悲しい時間の経過の中で耐えながらも、復興の明日への夢を温めながら元気に頑張っている。しかし、子どもの心には今なお深く辛い傷跡が残されており、快復にはまだ長い時間がかかる。この子どもたちのことを思うと、私たちは、いつまで傍らを離れずに寄り添って、勇気づけ、励まし、辛い心を温めてあげたいという気持ちになります」と語る。
 そうした子どもたちのために「励まし」となるクリスマスカードを贈ることにしたのがきっかけ。田中さんの「クリスマスカードプロジェクト」は2011年に初めて実施したところ、世界48か国から3万通ものクリスマスカードが送られ、被災地の宮城県内の小中学校106校に自身で届けた。「津波の被害を受けて辛いでしょうけどがんばって」「あなたたちのことを心配しています」「またきっと元気になれるよ」など「メリークリスマス」の文字に添えられた言葉はどれも、被災した子どもたちへの思いがあふれていた。子どもたちを喜ばせた。一昨年、昨年と岩手県陸前高田市をはじめ、宮城、福島の3県の被災地を訪れ、小学校などでカードを手渡した。昨年は原発事故で避難する児童が多く通う福島の小学校から、励ましのカードを受け取って喜んでいるクラスの子どもたちの集合写真が送られてきて田中さんを喜ばせた。
 田中さんは中央大学で国際経済学を教えてきた。国内外の友人知人、教え子にメールを発信。プロ野球の巨人選手や企業の社長ら著名人も多く共鳴し、予想をはるかに超える6万通ものカードに驚きながらも、「使命感」のようなものも生まれている。今年は今月に入り早速、台湾から1200通ものカードが届いた。
 「1本のペンとはがき(台紙)があれば、老人でも子どもでも被災地の子どもにクリスマスや新年のお祝いと、励ましの言葉を贈ることができます。愛の心と心をつなぎ、励まし合うという『絆』の心が日本の美しい伝統になっています。ぜひ多くの方に参加してほしい」と田中さんは呼びかけている。田中さんの温かいハートで始まった同プロジェクトは今年も世界中に広がりそうだ。

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