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本社賞に川野さん「落書のビル」・第42回越谷市美術協会展

2014.10.27(越谷市)
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 第42回越谷美術協会公募展(越谷美術協会主催、東武よみうり新聞社など後援)は10月15日から19日まで、越谷コミュニティセンター・ポルティコホールで開かれ、約1000人が来場し芸術を鑑賞した。
 展示されたのは油彩、水彩、日本画、水墨画の会員と市内在住・在勤の一般公募による作品104点が展示された。審査の結果、東武よみうり新聞社賞に選ばれたのは蒲生在住の川野芳子さん(88)の墨彩画「落書のビル」(F80号)。
 川野さんの作品は、フランスの街にあるビルを描いた。ビルの壁に文字や絵の落書きが多数描かれており、ビルがひとつのアート作品のようなアピールをするユニークな絵画。墨彩画と呼ばれる墨と顔彩と呼ばれる絵の具を使って水墨画のように描く独特のもの。ビル壁面には太陽が当たっていて、黄色く鈍く光っているのが目を引く。
 モチーフは友人からもらった旅先で撮影した1枚の写真。川野さんは「写真をそのまま絵にしても、つまらないので、太陽の光を入れるなどして、アレンジしました。入賞するとは思わなかったので、受賞はとてもうれしい」と喜びを語っている。作品は今年3月から約半年間かけて仕上げた。
 川野さんは1926年、東京浅草生まれ。幼いころから絵は好きだったが、本格的に始めたのは還暦になってから。自宅近くの東武よみうり文化センター「水墨画教室」に通ってからだ。墨が好きだったため興味を持って始めた。1993年、オープンしたての、こしがや能楽堂で観た「薪能」に感動し、演目「羽衣」の絵を墨彩画で描いて越谷美術協会展に出品したところ、越谷市教委の目に止まり、その絵「想羽衣」が同教委の発行する文芸誌「川のあるまち」の表紙を飾ることになった。
 作品は最初に紙に下書きをスケッチし、その上に和紙をのせて、墨で描いていくという独自の方法。今年米寿を迎え、「床に和紙を置いて描くので、足やひざに負担がかかり、最近はひざが痛み出して長時間の制作は辛い」とこぼすが、「絵は自分しか描けないもの。今後も元気なうちは、ファンタジックな絵に挑戦していきたい」と目を輝かせていた。