トップニュース

旧中村家住宅オープン・市民の歴史学習にも

2014.10.20(越谷市)
ニュース写真
 昔の暮らしを感じよう。越谷市指定有形文化財の「旧東方村 中村家住宅」が越谷レイクタウンの調節池に隣接する場所に移築され、10月1日にオープンした。同住宅は1772年(安永元年)に建築された、江戸時代に東方村(現在の越谷市大成町周辺)下組の名主を勤めた中村家の居宅。市内に現存する最古の住宅といわれており、江戸時代における村役人の家の構造を今に伝える貴重な住宅。小学生の社会科見学や市民の郷土歴史学習の場として、活用されるほか、レイクタウンから徒歩で行けることから越谷市の新しい観光スポットとして注目されそうだ。

 同住宅は1973年に市に寄贈され、74年に見田方遺跡公園に移築、75年に市指定有形文化財に指定された。越谷レイクタウン特定土地区画整理事業の進行に伴い、2003年に建物を一時的に解体・保存していた。2012年度から13年度にかけて復元整備された。移築や保存に関する費用は区画整理事業の施行者の独立行政法人都市再生機構が移転補償費1億9353万円を負担した。
 同住宅の全体の敷地は878・72平方b。敷地内には主屋と薬医門があり、寄贈・解体前の写真や古文書を展示したりする受付棟、埋蔵文化財整理室や見田方遺跡から出土した土器などを展示する昔を伝える展示室がある。
 主屋は木造1階建て、延床面積は210・46平方b。式台付き玄関、土間、広間など畳の部屋6部屋、板の間2部屋からなり、5つの棟を持つ複雑な造りになっている。土間は吹き抜けになっていて、式台付き玄関からあがると、床の間のある座敷に続いている。ここは当時、役人などの特別な客を接待する部屋であったと考えられている。家に向かって右方には大戸口がつけられ、家人などは普通、この大戸口から出入りしていた。
 屋根は元はかやぶきで寄せ棟造り、玄関の屋根は入り母屋造りになっている。納戸には「韓信の股くぐり」(漢の天下統一に功績のあった名将・韓信が相手の股をくぐったが、後に大成したという故事を描いた絵)の絵が描かれた板戸が展示されている。また、 四季をテーマにした絵が描かれている袋戸のふすま絵など、昔の生活を知ることができる展示物もある。
 市に住宅を寄贈した中村重義さん(故人)の長男、治雄さん(64)は「復元された家を見ると、子どものころの記憶がよみがえってきます。夏はとても涼しい家でしたが、冬は反対にとても寒かった。これからたくさんの方の目に触れて、末永く残していってほしい」と感慨深げに話していた。
 越谷市教委の斉藤美子教育総務部副部長は「越谷レイクタウン駅や駅周辺の商業施設から徒歩圏内で、大相模調節池の近くという好立地にあるため、越谷の新たな観光スポットとして期待できる施設です。多くの方に来館してほしい」と呼びかけている。
 同住宅の開館時間は午前9時から午後5時まで(入館は午後4時30分まで)。毎週水曜日と年末年始(12月29日〜翌年1月3日)休館。入館料は一般100円、小中学生50円、未就学児無料。JR武蔵野線「越谷レイクタウン駅」から徒歩約15分。駐車場・駐輪場もある。
 <問い合わせ>中村家住宅TEL986・7051。

>戻る