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ミニバス試験運行始まる・新方地区本格導入で「空白」解消へ

2014.9.8(越谷市)
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 公共交通空白地帯の解消へ。越谷市北部の新方地区に9月1日から、ミニバス(10人乗り)の試験運行が始まった。同地区は県道が狭く、整備されていないなどを理由にこれまで、まったくバスが走らない「交通空白地帯」だった。長年、住民から「路線バスの運行」を要望する声があったが、今回、ようやく市が試験運行をする形で実現した。ミニバスは「せんげん台駅」から「新方地区センター」を走る1日11往復(約7・7`、所要時間約30分)で運行される。来年2月28日までの6か月間、試験運行を行い、公共交通基礎調査を行い、市の公共交通に関する課題を把握し、ミニバスの採算性が合うか検討する。

 同市の新方地区は最寄りの東武スカイツリーライン「せんげん台駅」から3`以上離れ、地区内を走る「県道平方東京線」は最も狭いところで幅員約3・5bしかなく、車がすれ違うのも困難な場所があるなど、交通不便な場所。今回、越谷市新方地区自治会連合会(高橋剛三会長)から昨年1月に「新方地区へのコミュニティバス路線の運行の要望書」が同地区住民3570人の署名とともに、同市の高橋努市長あてに提出され、これを受けて実現した。
 今回の試験運行は同市が調査機関の一般財団法人計量計画研究所(東京都新宿区)に委託して、実施する。契約額は約1965万円。同研究所は市内の東部中央ハイタク協議会加盟の市内のタクシー会社・大都交通に運行を委託する。停留所別や時間別などの利用状況を調査し地域公共交通を取り巻く課題を把握する。
 運行車両は10人乗りのワンボックス(車いす2人、運転手1人含む)。運行時間は午前6時台から午後7時台までの22便(11往復)。ルートはせんげん台駅東口から、国道4号バイパスを越えて、県道平方東京線などを通って、新方小学校、新方交流館などを経由して新方地区センターまでを結ぶ。バス停は18か所。約7・7`b、所要時間は約30分。運賃は一律300円(小学生・障害者手帳を取得している人は150円、未就学児無料)。
 市に要望した新方地区自治会連合会長の高橋剛三さん(70)は「新方地区は住民も高齢化していて、バス路線の確保は重要課題だった。10年前から地区で議論をはじめ、今回、ようやくコミュニティバスが実現した。多くの住民の方に利用してもらい、試験運行を経て、本格運行をめざしてほしい」と喜んでいる。
 昨年6月には、越谷市議会で「公共交通網整備推進特別委員会」が設置され、市に対し公共交通不便地域の解消を要望する「公共交通網の整備促進に関する提言」も初めて提出され、今回のミニバス運行実施の引き金になった。
 同市の横溝勉都市整備部長は「新方地区はこれまで、何度も交通空白地域として、地元バス事業者と『越谷バス網整備研究会』でも実現に向け議論してきたが、事業者の参入がなかった地域。今回の試験運行で事業者が、採算性が合うかどうか慎重に検討してもらい、参入を促したい」と話している。
 市内初のミニバス運行は、市内のほかの交通不便地域への課題解消への足掛かりともなる。高齢化社会を迎え、こうした小回りの利く「足の確保」は重要だ。

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