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福島大熊町民が「避難」の紙芝居・11日、蒲生第二小で披露

2014.8.4(越谷市)
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 福島を忘れないで。福島県双葉郡大熊町の住民でつくる「大熊紙芝居一座」(杤本春美座長)が11日、越谷市立蒲生第2小学校体育館で巡業公演を行うことになった。同町は東電福島第一原発のある町。2011年3月11日の東日本大震災による原発事故で住民はふるさとを失った。帰ることのできない故郷を紙芝居で語り継ごうと立ち上がったのが同一座。公演では、震災直後の避難生活をつづった物語や同町に伝わる民話や昔話を紙芝居にして披露する。

 紙芝居公演は11日、同小学校校庭・体育館で開かれる「東日本大震災・原発事故を風化させない!心よせあう 絆の灯」イベントの中で行われる。同イベントは越谷市蒲生寿町のパンダ理容室蒲生店店長の岡田誠さん(43)らが呼びかけてつくった実行委員会が主催して開催するもの。今年で4回目になる。紙芝居一座を知った岡田さんが呼びかけて、今回の公演が実現した。
 大熊町は、福島県浜通りの中央部にある町。福島第一原発の1号機から4号機の所在地。原発事故を受けて、町役場と住民が近隣地域に避難し、除染やがれきの撤去作業を行う作業員以外の町民の立ち入りが禁止されている。
 大熊紙芝居一座は、「いつ帰れるか分からないふるさとを紙芝居で語り継ぐ」と、現在の座長の杤本春美さん(58)の夫の故・正さん(享年61)が2年前に立ち上げた。自閉症の長男・翔太さん(18)とともに家族3人、震災翌日の3月12日に大熊町の自宅を出て、県内数か所での避難生活を経て、2012年4月にいわき市に避難し、現在もいわきで暮らす。
 今回、越谷で公演する紙芝居のメイン作品は「大熊避難民物語・悠稀くんの手紙」。自閉症の息子を持つ、杤本さん一家とその仲間の「大熊町自閉症児親の会」のメンバーが実際に体験した避難の物語を描いた。このほか、大熊町の民話や昔話なども紙芝居上演する。
 昨年暮れに急死した正さんの遺志を受け継ぎ、今年2月には広島市では旗揚げ公演を行った。現在メンバーは10人。座長の杤本さんは「あの原発事故から3年以上が経過し、多くの住民は故郷へ戻ることをあきらめています。私たち被災者もこれからは自立していかなければなりません。紙芝居を多くの人に見てもらい、大熊住民の自立のきっかけになれば。障害の子を持つ家族でも元気に避難生活を送っていることを知ってほしい」と呼びかけている。
 公演は午後1時30分から。紙芝居のほか、大熊町の現状を語り合う「トークショー」もある。入場無料。
 イベントはこのほか、午前10時から、日本防災士会による「防災訓練・応急手当の体験」。避難者らでつくる「一歩会」による、手作り楽器「水カンリンバ」作り、仮設住宅で暮らす人の笑顔の写真展、東北物産展などがある。岡田さんは「店で働く理容師が皆、東北出身のため企画し、始めたイベントです。震災から3年以上が経ち、風化させないように多くの方の参加をお待ちしています」と話していた。
 <問い合わせ>パンダ理容室TEL989・1141。

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