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「口腔がん検診」が好評・課題は精密検査機関の設置

2014.6.16(越谷市)
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 越谷市が2012年5月から始めた「口腔がん検診」が好評だ。12年度から昨年度までの受診者は4003人になった。県内初の事業で越谷市歯科医師会(安井晃会長)に委託して実施しているもの。同歯科医師会では「2010年度から実施している、市の歯科健康フェアでの口腔がん集団検診の新聞報道や市広報などの告知で、多くの市民に知ってもらい、関心をもってもらった成果」と分析している。市保健医療部では「県内に先駆けてやった成果。さらに普及を図りたい」としている。8日には恒例の歯科健康フェアが市保健センターで開催され、1000人の市民が訪れ、関心の高さをうかがわせた。一方、同検診後、精密検査のできる医療機関が市内にないことが課題となっている。

 口腔がん検診の対象者は越谷市内在住の40歳以上の人。検診期間は5月1日から翌年の2月15日まで。検診費用は900円の自己負担(70歳以上や65歳から69歳までの後期高齢者医療制度の保険証の人などは無料)が必要。実際の検診は問診と視触診をする。舌や唇を前や上に引っ張り上げて視たり触ったりして検査をする。検診できる医療機関は同歯科医師会に加入する79の歯科医院。市が負担する歯科医師会への委託料は12年度が1648万2060円、13年度が1680万720円に上る。今年度当初予算は1000万円。
 申し込みは検診を実施している医療機関に直接予約し、保険証を持参して受診。検診が終わればその場で歯科医師から結果通知書が渡され、結果の説明がある。もし、がんの疑いがある場合は春日部と草加の市立病院や大学病院などの「口腔外科」へ紹介し精密検査をしてもらう。
 同市では、2010年6月に「歯科健康フェア」で初めて「無料口腔がん検診」を実施したところ、600人もの市民から申し込みがあり、そのうち抽選で150人が受診した。そのため市民の関心が高かったことから、今回の検診実施に踏み切った。
 同市によると、検診結果は12年度は2280人の受診者のうち、要精密検査が148人。そのうち107人が専門の医療機関で精密検査を受け、口腔がんだったのが3人。疑いのある人が35人だった。昨年度は1723人(今年4月16日現在)が検診を受け、要精密検査が103人。59人が精密検査を受け、口腔がんはゼロ。疑いが11人だった。疑いのある人は「経過観察」として、定期的に検診を受けることになる。
 同市の荒川和弘保健医療部副参事は「かかりつけの歯科医による、呼びかけもあり、想定以上の市民の受診に結び付いた。今後も口腔がんの早期発見に努めるとともに、知識の普及を図り、年1回の受診をPRしていきたい」としている。ただ、受診対象者(約18万人)を対象とした受診率は12、13年度とも1・27%となっており、受診率向上はほかのがん検診と同様の課題だ。
 安井晃歯科医師会長は「歯科医師会として、市民の方に口腔がん予防の啓発活動を行っていき、早期発見、早期治療に結びつけ、治癒率を高めていきたい。課題は精密検査を依頼するときに、市内の総合病院に口腔外科の診療科がないこと。利便性からも越谷市立病院に口腔外科が開設されるよう努めていきたい」と今後の展望を話していた。
 <問い合わせ>越谷市保健センターTEL978・3511。

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