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江戸時代の蔵を移動・分譲地で曳家工事

2014.3.24(越谷市)
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 越谷市越ヶ谷に残る江戸時代末期に建てられた蔵が14日、曳家工事によって約80b移動した。これは、越谷市の住宅メーカー・中央住宅(品川典久代表取締役)による分譲住宅建設「蔵のある街づくりプロジェクト」の一環として実施されたもの。
 同建設地周辺は旧日光街道沿いの宿場町として発展し、蔵など歴史的・伝統的な建造物が残っているが、所有者の高齢化や建て替えなどで開発が進み、歴史的な街並みが失われつつある。そこで、蔵を残す魅力ある街づくりをしようと、同住宅が企画した。
 蔵は今から約150年前に建築されたもので、木造2階建てで延床面積48・96平方b。屋根は瓦葺き、壁は漆喰塗り。高さは約7・2b。内蔵と呼ばれるもので、母屋とつながった構造となっている。
 曳家工事は2本のレールの上にジャッキアップされた蔵が南に8b移動するもの。重機のパワーショベルとワイヤーロープに接続された蔵を現場監督の指示でゆっくりと引っ張り、蔵のバランスを取りながら、そろりそろりと移動。約30分かけて移動が終わると、関係者から歓声も上がっていた。
 蔵の元所有者で近くに住む山ア達也さん(68)は「幼いころから使用していた蔵が無事に移動して、感無量です。古いものですが、有効に使ってもらえれば」と感激した様子だった。
 同プロジェクトは、同蔵の周辺644・51平方bを住宅分譲地として開発するもの。蔵をシンボルとして、住民の共有物として活用。「コーポラティブ方式(住まい手主導型)」と呼ばれる手法で、スタート時は敷地の区割りや家の形も決まっていない。住民たちでアイデアを出し合い各戸をデザインしていく。蔵の利用方法も自由で住民間で決めていく。なお、分譲地の販売価格は1億9800万円。
 中央住宅の品川社長は「旧日光街道に残る蔵は越谷市も保存する方向で取り組んでいることから、住民と企業が一体となって歴史を生かしたまちづくりをしようと考えた。蔵を中心に交流や情報発信できるまちづくりを目指したい」と話していた。

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