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関心高く、受診者増加・「口腔がん検診」、市民に浸透

2014.1.27(越谷市)
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 越谷市が一昨年5月から始めた「口腔がん検診」が好評だ。昨年度1年間(2014年5月〜2015年2月)の受診者数は2297人にのぼり、今年度に入ってからも、昨年5月から9月までに1130人が受診し合わせて3500人に迫る勢いだ。市は当初年間1500人の受診者を想定していたが、大幅に想定を超えた。県内初の事業で越谷市歯科医師会(安井晃会長)に委託して実施しているもの。同歯科医師会では「2010年度から実施している、市の歯科健康フェアでの口腔がん集団検診の新聞報道や市広報などの告知で、多くの市民に知ってもらい、関心をもってもらった成果」と分析している。同検診で口腔がんが見つかり、手術後、治癒した市内の男性(51)は「早期発見で治すことができて本当に良かった」と感想を話す。市保健医療部では「県内に先駆けてやった成果。さらに普及を図りたい」としている。一方、同検診後、精密検査のできる医療機関が市内にないことが課題となっている。

 口腔がん検診の対象者は越谷市内在住の40歳以上(今年3月31日までに40歳以上となる人)の人。検診期間は5月1日から翌年の2月15日まで。検診費用は900円の自己負担(70歳以上や65歳から69歳までの後期高齢者医療制度の保険証の人などは無料)が必要。実際の検診は問診と視触診をする。舌や唇を前や上に引っ張り上げて視たり触ったりして検査をする。検診できる医療機関は同歯科医師会に加入する65の歯科医院。
 申し込みは検診を実施している医療機関に直接予約し、保険証を持参して受診。検診が終わればその場で歯科医師から結果通知書が渡され、結果の説明がある。もし、がんの疑いがある場合は精密検査を春日部と草加の市立病院や大学病院などの「口腔外科」へ紹介し精密検査をしてもらう。同歯科医師会への年間委託料は1000万円だが、受診者が増えたため実際には1662万円(2012年度)かかった。
 同市によると、一昨年5月から昨年2月までの検診受診者数は2297人にのぼり、要精密検査が107人いた。そのうち口腔がんだったのが、3人だった。がん発見率は0・13%。精密検査を実施した医療機関は草加市立病院が56件、春日部市立病院が30件と多く、そのほか都内や県外の大学病院で実施された。今年度は昨年9月までに1130人が受診し、そのうち23人が精密検査を受けた。口腔がんの人はいなかった。
 同市の荒川和弘保健医療部副参事は「かかりつけの歯科医による、呼びかけもあり、市の想定以上の市民の受診に結び付いた。今後も口腔がんの早期発見に努めるとともに、知識の普及を図り、年1回の受診をPRしていきたい。健康のための食育にも力をいれていきたい」としている。

 安井晃歯科医師会長は「市民の方は、むし歯や歯周病以外にもいろいろな口腔内病変について悩みや関心を持っていることがあらためて知ることができました。がんの方も見つかり早期発見早期治療につながった」と感想を話す。同歯科医師会では、検診を実施する歯科医師に講習会の受講を義務化し、レベルアップを図っているほか、東京歯科大学と連携し、「ナビゲーションシステム」と呼ばれる口腔内の画像を送り、専門医の指導を受け検診の精度を上げている。
 一方、課題について「同検診後、精密検査を依頼するときに、市内の総合病院に口腔外科の診療科がないため、市外の病院へ紹介せざるを得ない。市民の利便性からも越谷市立病院に口腔外科が開設されるよう努めていきたい」と話していた。
 一昨年5月に検診で口腔がんが見つかった男性(51)は草加市立病院でMRI(磁気共鳴画像)検査やCT(コンピューター断層撮影)、血液検査に細胞を取り出して行う「病理検査」などの精密検査を受けて、「口腔がん」と診断された。「口の中にできものができて、気になっていたので知り合いの歯科医院で検査を受けた。まさかがんの診断を受けるとは思わず、目の前が真っ暗になった」とショックだった。
 その後、担当医師と話し合い、抗がん剤投与と外科手術で治すことを決めた。20日間の抗がん剤のあと、7月に手術。がんのあった舌の一部を切除した。その後順調に回復し、11月に退院。昨年1月には職場復帰した。「手術後、食べ物の味が分からないなど、違和感を感じましたが、今では普通に食事ができるようになりました。早期発見早期治療で治すことができ本当に良かった」と笑顔で話す。
 同市市民健康課では「口に中に白い着色がある、口内炎がなかなか治らないなど、口の中が気になるときは、口腔がんの可能性があるので、積極的に検診を受けてもらいたい。年に一度は受診を」と呼びかけている。
<問い合わせ>越谷市保健センターTEL978・3511。

 【口腔がん】 歯や歯肉、舌など口の中に発症。初期段階では、口の中に白い着色やしこり、赤いただれなどの症状が出るが、痛さを強く感じないので気付かない人も多い。しかし、長期間放置すると舌やあごの骨の切除などに至り、最悪の場合死につながる怖い病気だ。近年患者・死亡者が急増している。ただ早期に発見すれば治療して治せる病気だ。
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