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利用者激減、原発事故の影響か・越谷市立あだたら高原少年自然の家

2013.12.23(越谷市)
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 福島県二本松市にある、宿泊施設・越谷市立あだたら高原少年自然の家が利用者激減で存続の危機にさらされている。東日本大震災による福島第一原子力発電所の事故後、2011年度から、越谷市内小中学校の「林間学校」や「スキー教室」の利用が皆無になったためだ。同市教委の校長会や「旅行実施検討委員会」で利用しないことを決めたもの。2010年度は年間1万6852人(うち小中学校の利用は1万4157人)が利用する施設だったが、11年度は年間1327人と10分の1以下にまで落ち込んでいる。施設を管理運営する同市教委では「来年度も小中学校の団体利用は見込めず、一般利用をPRするしかない。スキー場や温泉、裏磐梯などの観光地も近い好立地なので多くの市民の利用を」と呼びかけている。

 同自然の家は二本松市の郊外、安達太良山のふもとの林間に1983年に建てられた宿泊施設。地上2階地下2階の建物の中には28の宿泊室のほか、スポーツができる研修ホールや会議室、図書室などもある。東北道二本松インターから15`の場所で、「あだたら高原スキー場」まで車で5分の好立地。
 福島第一原発からは60`以上離れていて、二本松市の測定(今年6月〜7月実施)によると周辺の放射線量は毎時0・12〜0・19マイクロシーベルトと低い。2011年の東日本大震災で、施設の壁や配管などが壊れ、半年間の改修工事で11年度前半は利用ができなかった。
 そして、同施設の利用の中心となる小中学校の利用は「原発事故による不安定な地域で保護者の理解が得られない」との理由から、11年度早々に校長会などで学校での利用を「中止決定」した。すでに来年度いっぱいまでの「利用中止」が決定されており、15年度以降は、再度検討することになっている。
 震災の影響で11年度は一般利用だけになり、年間1327人と大幅に落ち込み、危機感を募らせた同市教委が市内や近隣のスポーツ団体などによびかけ、12年度は一般だけで年間3088人の利用があった。同施設の年間運営費(人件費、水光熱費、保守管理費など)は7900万円(12年度)にのぼり、同市教委生涯学習課では「施設の学校での利用は保護者の反対があれば、利用は不可能。15年度以降も不透明だ。このまま(一般の)利用者数が伸びないと、存続が難しくなる可能性もある」と深刻だ。
 同自然の家の宿泊料金は1泊一般1700円(越谷市民と草加、三郷、八潮、吉川市と松伏町在住・在勤者。暖房料金含む)、小中学生700円(同)。5市1町以外の人は一般2200円、小中学生900円。食事料金は朝・昼食315円、夕食は735円か1260円。利用申し込みは3か月前から予約ができる。電話で空き状況を確認して1週間前までに同市教委生涯学習課窓口で利用申請手続きと料金を支払う。
 同市教委生涯学習課の斎藤美子課長は「自然の家周辺は間もなくスキー・スノーボードシーズンに入ります。自然環境豊かな地域でもあり、温泉や裏磐梯などの観光地も近いので、多くの方の観光旅行やスキー旅行にぜひ利用してほしい」と呼びかけている。
 <問い合わせ>越谷市教委生涯学習課TEL963・9283。

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