トップニュース

支援制度で高齢者ら手助け・「災害時要援護者」の台帳づくり

2013.9.10(越谷市)
ニュース写真
 越谷市は「災害時要援護者避難支援制度」を新設することになった。高齢者や障害者など災害時に自らの力で避難することが困難な「災害時要援護者」を台帳に登録してもらい、行政が市内全域の「要援護者」を把握し、地域での避難活動に役立ててもらう。同市によると対象者は2万2000人にのぼると見られ、現在、市内全374自治会を対象に説明会を開催している。今年11月から登録受け付けを開始し、来年2月に自治会と民生委員・児童委員に「災害時要援護者台帳」を配付する計画だ。

 大規模な地震や風水害などの災害が発生した直後は、市や消防など行政の災害対応力が十分に機能しないため、高齢者や障害者など災害時に自らの力で避難することが困難な「災害時要援護者」の避難支援は、地域での住民相互の助け合いが重要になる。そのためには、平常時から災害時要援護者に最も身近な組織である自治会や自主防災組織などで同援護者の支援対策を準備することが必要になる。
 そのため、同市では、自治会や自主防災組織、民生委員・児童委員など地域の人たちがお互いに協力して助け合う「共助」による支援をするための指針として、今回の制度を新設することになった。
 対象者は@75歳以上の一人暮らしA75歳以上の高齢者のみ世帯B要介護認定区分3・4・5の認定を受けている人C身体障害者手帳1・2級の交付を受けている人、など。同市危機管理課では対象者は2万2000人を想定している。現在、市内全域で説明会を開催中で、周知した後、登録を希望する人が市役所や地区センター、老人福祉センターに設置する登録申請書に必要事項を記入してもらい、提出する。
 なお、今回の実施に先立ち、2008年から、増林地区自治会連合会(石崎一宏会長)の東越谷8自治会が先行して同制度のモデル地区として、同体制づくりを推進してきた。同自治会では対象者1302人のうち283人が登録した。
 また、市内出羽地区では、住民自ら「出羽地区防災組織連絡協議会」(名倉雄作会長、加盟40自治会)を2010年に結成し、「防災名簿」を作成した。阪神淡路大震災後の1996年から準備をスタート。各世帯の氏名、年齢、職業、住所、家族構成などが明記されたシンプルなものだが、緊急時には貴重なものになる。同名簿作りに奔走した同協議会事務局長の松苗眞吉さん(74)は「災害時はまずは自助。そして頼れるのは近所。支援は弱者ばかりではなく、自分が救助される立場になることもある。お互いに助け合う精神を培い、実際に役立つ組織や名簿をつくるのが必要」と訴える。
 今回の支援制度は国のガイドラインはあるが、行政だけでなく、自治会にも台帳を配付するという市独自のスタイル。同市の荒井隆之協働安全部長は「この制度は登録者と地域と行政が、情報を共有し、連携体制をつくりあげることによって、いざという時、いち早く救護活動ができる。多くの市民の理解を得たい」と話している。
 2日に竜巻による大きな被害を受けた同市。行政と市民が協力した支援体制がこれから試される。
<問い合わせ>越谷市危機管理課TEL963・9285。

>戻る