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新しい観光資源に「七不思議」・越谷市郷土研究会が制定

2013.7.8(越谷市)
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 地域の歴史に少しでも興味を持ってほしいと、越谷市郷土研究会(宮川進会長、会員371人)は6月23日、「越谷の七不思議」を独自に制定した。市民に巡り歩いてもらおうと、いわゆる市内の「ミステリースポット」の11か所の候補を挙げ、この中から同会員でアンケート投票を実施して、投票順に上位7つを選定した。蒲生の「ぎょうだいさま」や増林の「願掛け石塔」など、これまであまり市民に紹介されてこなかったスポットを選んだ。同会では、「この七不思議は、越谷の新しい観光資源となる可能性が高い。市民の郷土に対する興味を深めて、市外からもお客さんを呼ぶチャンスにしたい」と期待している。

 越谷市には「七福神」がなく、市民が歴史散歩できるコースがない。そのため、同研究会では「無理やりつくるのではなく、実際に市内に存在するもの、目に見えるものを選択し、なおかつミステリアスなものを選ぶことにしました。以前から、歴史やいわれのはっきりしないものやユニークなものが市内に点在していたので、これらをあらためて、七不思議として設定したい」と昨年夏ごろから準備を始め、11月には候補の11か所を巡る1日ツアーを実施した。
 実際に歩いて見て、同研究会が選んだミステリースポットは蒲生の「ぎょうだいさま」や相模町の「大聖寺の卍亀碑」、越ヶ谷本町の会田金物店にある不思議な壁画、向畑の陣屋跡など11か所。この中から、6月23日に同会会員による投票を行い、得票順に選んだ。
 「七不思議」に選ばれたのは、「ぎょうだいさま」(蒲生)「大相模不動尊の亀碑」(相模町)「白山神社の願掛け石塔」(増林)「稲荷神社の『菅原荘』の石碑」(新川町)「久伊豆神社の本殿うしろの力石」(越ヶ谷)「会田金物店の壁画」(越ヶ谷本町)「聖徳寺(北川崎)と光明院(大沢)の塩地蔵」の七つ。場所は東西南北広くに分布し、市内を一周できるため、歴史探訪ツアーにも適しているという。
 宮川会長(73)は「越谷には何もない、といわれることがあります。この七不思議が越谷に興味と感心を持っていただくきっかけになるのでは。観光資源にして『越谷っていいね』となってもらえるのが私たちの願いです」と話している。
 同市産業支援課では「今年度末に新しい越谷市の観光マップの制作を予定しているので、この七不思議の現地を実際に訪問し、内容を吟味し、広くお知らせできるものであれば、ぜひマップ内に案内を入れていきたい」としている。従来の観光ガイドにはない、市民が選んだ「七不思議」。郷土研究会独自にガイドツアーを企画するなど、越谷の新たな「名物」として定着することが期待される。
 <問い合わせ>越谷郷土研究会の宮川会長TEL975・9139。


 選ばれた七不思議は次の通り(順不同)。
 ◆ぎょうだいさま(蒲生) 蒲生1丁目の街道わきの祠の中、鳥のような河童のような不思議な形の石の塔がたっている。1757年(宝暦2)に建立されたという「砂利道供養」。旅人の道中安全を願った「わらじ」が吊るされ、無事に帰る(蛙)を祈願したといわれる。地元では昔から、親しみを込めて「ぎょうだいさま(わしの神様)」と呼んでいる。
 ◆大聖寺の亀の石碑(相模町) 奈良時代の750年(天宝勝宝2)に創建された大相模不動尊。その一角に高さ3・2b、幅1・52b、幅1・52b、厚さ1・6bもある亀の甲羅のような石碑が建つ。碑の冒頭に「鶴」の字があり、後部に「亀」らしい字があるために亀碑と呼ぶ。
 ◆会田金物店の壁画(越ヶ谷本町) 旧日光街道沿いの老舗「会田金物店」。その木造建築の店内に不思議な壁画がある。鉄砲を手に戦う兵隊だろうか、武士だろうか。落書きなのか写実なのかも不明な絵。幕末の「会津戦争」を描いた絵なのかもしれない。
 ◆久伊豆神社本殿裏の力石(越ヶ谷) 平安末期創建の久伊豆神社。拝殿の向かい右側に、台座に鎮座したタマゴ形の石は市文化財にも指定された、重さ187・5`の「三ノ宮卯之助の力石」。このすぐそばに、無造作に転がっている謎の石がある。この転がされた石は、はたして卯之助とどんな因縁をもつのか、推測が推測を広げている。
 ◆白山神社の願掛け石塔(増林) 白山神社境内に、ひっそりと願掛け奉納石塔が建っている。老夫婦が向き合って願い事がかなえられるようにと拝んでいる様子が描かれたもので、拝み絵馬の形式をとっている。信州の道端に道祖神として、夫婦が描かれているが、越谷で見られるのは珍しい。
 ◆聖徳寺の塩地蔵(北川崎)と光明院(大沢)の塩地蔵 北川崎の聖徳寺や大沢の光明院の塩地蔵は、摩耗が激しく像容が全く不明である。聖徳寺の「塩地蔵」は、安産と子育てとして塩の奉納があり、光明院の「塩かけ地蔵」は、願(がん)掛けして塩断(しおだち)し、願いがかなえられるとお地蔵様の頭から塩をかけた。両者とも長い間の塩の奉納によってここまですり減ってしまったのであろうか。不思議なお地蔵様である。

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