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日本画で美術家協会賞・溝上紀美さん「間奏曲」で

2013.6.17(越谷市)
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 越谷市大房の溝上紀美さん(61)は日本画「間奏曲」(60号)で、埼玉県美術家協会を受賞した。県展での入賞は16年ぶり3回目。「県展は毎年、出品していましたが、しばらく入賞していなかったので、驚きと喜びですが、とてもうれしい」と喜びを語った。
 今回の受賞作品は、晩秋の11月、名古屋港近くにある大規模公園の林をバックに自身の娘(27)を描いた。昨年11月に知り合いの結婚式に出席するために出かけた名古屋市で見つけたポイント。冬枯れの樹木と純白の花穂をつけるセイヨウススキを背景に娘が身に着けたショールが風に揺れる情景を描いた。現場でのスケッチと撮影した写真をもとに下書きし、仕上げた。12月から仏・パリに留学した娘の新しい旅立ちを表現したという。
 「冬枯れの樹木が好きで、たくさん描いています。寒さが伝わるように『風』を表現しました」という。今年に入り、約3か月かけて絵を仕上げた。「人物が好きで、ほとんどの作品は人物です。自分の息子や娘をモデルにすることが多いです」とも。
 熊本県熊本市生まれ。幼いころから絵を描くのが好きで、デザイン学校を卒業後、名古屋市のデザイン事務所に就職。グラフィックデザイナーとして、本のイラストや調味料や飲料水のラベルのデザインなどを手掛ける。高校時代の先輩の栄一さん(63)と結婚後、今から35年前に上京し、知人に日本画家(牧野雅彦さん=故人=)を紹介してもらったのを機に、日本画を始めるようになった。「日本画の絵の具(顔料)の色に感動して、油絵では表現できない緻密な色を使った絵を描きたいと日本画の道に入りました」と溝上さん。
 出産を機に越谷市に転居し、子育てに追われる日々を過ごすし、しばらく絵とは縁のない生活を送るが、長女が幼稚園に入った後、再び開始。都内のカルチャーセンターに通い、日本画家・加藤晋明氏の指導を受け、初の公募展「東京都勤労者美術展」で理事長賞を受賞。県展でも2回特選を受賞するが、子どもたちの教育費の負担が増える中、16年前から教室には通わずに独学で絵を続けた。
 子育てに一段落した現在、趣味の日本画を描き続ける。2009年には「日展」に初入選を果たした。「絵が好きなので、一生描き続けたい。特に人物画を描いていきたい。また、海外旅行に行き、外国の文化に触れて自分の芸術に活かしたい」と目を輝かせている。

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