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介護、医療など連携へ「包括ケアシステム」・ワーキングチーム発足へ

2013.4.16(越谷市)
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 越谷市は、認知症高齢者や一人暮らし高齢者が増加するなか、介護を必要とする高齢者が住み慣れた地域で生活できるように、介護、予防、医療、見守りなどの生活支援サービスに住まいを適切に組み合わせて提供できるよう「地域包括ケアシステム」導入に向け、市独自のワーキングチームを発足させた。5月に初の会議が開かれる。同ケアシステムは昨年の介護保険法改正で厚労省が推奨する新しい地域福祉の形。全国の市町村で2025年までに構築するよう進めている。ワーキングチームは同市内の医師、歯科医師、薬剤師、看護師、ケアマネージャー、県立大、文教大など関係者12人で組織し、越谷市での介護サービスの課題について現場レベルでの話し合いを行う。10月までに6回の会議を開催し、市民アンケートを実施した後、来年度から一部スタートを目指す。

 介護保険制度が始まって13年。高齢化が進展し、厚労省によると団塊の世代が75歳以上となる2025年ごろが高齢者人口のピークとされ、要介護認定者も全国で755万人と推計されている。単身世帯、高齢者夫婦世帯も全体の40%、認知症高齢者も400万人を超える推計が出されている。越谷市でも2025年には高齢者人口が8万5040人と高齢化率は27・7%と超高齢社会になることが予想されている。
 特養ホームなどの施設が不足する中、高齢者が住み慣れた越谷の地域でこれまでバラバラで提供されていた医療、介護、予防、住まい、生活支援サービスを切れ目なく提供されるシステムを作る。そのための課題や取り組みを現場レベルで検討するため、越谷市は独自にワーキングチームを作ることにした。同市高齢介護課によると、これまでの課題として、「医療と介護の連携がなされていない」ことが挙げられている。
 同市の竹内次男福祉部副部長は「ケアマネージャーなど介護事業所などが医療に関する情報が提供されないなど医療連携の不足がある。制度的な問題もあるが、24時間対応の在宅医療や訪問看護やリハビリテーションの充実強化が課題。これらを市民に切れ目なくサービスできるようにするため、ワーキングチームで現場レベルでの話し合いをしたい」と話す。
 越谷市には特別養護老人ホームが7施設569床しかなく、「約600人が現在、入所待ちをしている」(越谷市高齢介護課)状況で、施設は常に満床。今後、220床増える計画だが、市民のニーズには不足している。こうした背景もあり、市民に「元気で長生き」してもらうため、介護予防事業を強化していく。体操教室や食生活改善教室などだが、参加者を増やす施策を実施していく。
 24時間体制で往診や訪問診療や訪問看護などの在宅医療を行う診療所は現在7か所あるが、これをさらに強化し、医療サービスと介護サービスとの連携をしていくのが課題。サービス付き高齢者住宅や有料老人ホームも増加傾向だが、こちらも介護・医療との連携がカギ。
 さらに「一人暮らしや高齢夫婦のみ世帯の増加や認知症の増加を踏まえ、見守りや配食などの生活支援や財産管理などの権利擁護サービスなど生活支援にも力を入れていく」(高齢介護課)としている。介護保険が始まってすっかり定着したが、縦割り行政の弊害も出てきた。こうした越谷独自の取り組みはこれまでの枠組みを取り払い、市民が利用しやすく、安心して生活できるものを目指す。市民ニーズに合ったものになるよう議論してほしい。

 こうした行政の取り組みの中、越谷市南越谷の住宅メーカー・ポラスでは、在宅介護を民間で支援しようと、このほど介護福祉用具レンタル・販売の介護ショップ「ハミングバード」を南越谷の「楽園」5階にオープンした。
 在宅介護を支える「特殊寝台」や「床ずれ防止用具」、「バスリフト」、「歩行杖」「車いす」「スロープ」などを介護保険を使って自己負担1割の費用でレンタルできるようにした。また販売用品として「腰掛便座」「浴槽手すり」「浴室内いす」など介護保険利用で購入できる。
 同店の特徴はすべての介護用具・用品が実物を見て選べること。通常、これらの物はケアマネージャーらが要介護者宅にカタログを持って行って説明を聞いて申し込むケースがほとんど。そのため「実物を見たら、大きくてつかいづらい」「壊れやすい」などの苦情があり、不便だった。
 同店の高橋良一介護ショップ係長は「市内には、これだけの介護用具・用品の展示をしているところはないのでは。家族の方が実際に目にして、手にふれて選んでもらいたい」と話す。また、住宅メーカーの利点を生かし、介護保険の対象となる住宅改修工事の受け付けも行う。「手すりの取り付け」や「スロープの設置」「開き扉から引き戸への扉の取り替え」など20万円を上限に工事費の9割が介護保険で支給される。同店では「住み慣れた街、住まいで快適な生活ができる介護環境を提供していきたい」と呼びかけている。
 <問い合わせ>介護ショップハミングバードTEL989・9965。

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