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初の「越谷ひな人形」巡り・旧日光街道の古民家などに展示

2013.2.18(越谷市)
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 江戸時代から続く、越谷市の伝統産業の「越谷の雛人形」を多くの人に知ってもらおうと、初めて「越ヶ谷宿の雛めぐり」が3月2日と3日の2日間、市内の旧日光街道などを会場に開かれることになった。市民でつくる「旧日光街道・越ヶ谷宿を考える会」と「NPO法人越谷市郷土研究会」が企画し主催するイベント。越谷市商工会、越谷ひな人形組合、香取神社、楽の蔵が共催する。旧日光街道に残る古民家を使って、越谷のひな人形を展示し自由に巡ってもらうほか、ガイドツアーも企画。北越谷の神社やギャラリーでも貴重なひな人形の展示を行う。

 越谷のひな人形作りは、今から200年以上前の江戸時代中期・安永年間(1772〜1781年)に、江戸の十軒店(じゅっけんだな、現在の日本橋)で修業した越谷新町の会田佐右衛門が、越谷で製作を始めたのが始まりといわれている。江戸時代にひな祭りが盛んになり、各地で郷土びなが作られたが、中でも「越谷段びな」「越谷一文びな」など越谷特有のひな人形が作られた。
 なかでも「越谷段びな」は高さ15aから20aほどの木箱の中にひな段を入れ、お内裏様、おひな様、五人囃子、三人仕丁などを飾ったもので、ほかに例のない豆人形の走りだったといわれている。気品にあふれた優雅な顔立ちが高く評価され、関東一円に出荷、将軍家にも納入されたと伝えられている。その後、ひな人形を扱う店は14軒にもなり、明治時代には年間2万個以上ものひな人形を生産していた。越谷で開かれるひな市は十軒店、鴻巣とともに3大ひな市といわれるほどになり、越谷は生産の一大中心地となった。今でも江戸時代から受け継がれてきた伝統技術は健在で、ひなの胴体、頭、手足などすべてがほかの地域に依存せずに市内で作られている。1983年には埼玉県の伝統的手工芸品に指定されている。
 一方、こうした地場産業のひな人形を知らない市民も多く、店の数の多さから今では隣の岩槻(さいたま市岩槻区)のほうが知られているため、「越谷の伝統を伝えよう」と今回のイベントを企画した。旧日光街道の越ヶ谷地区には古民家も残ることから、こうした古民家とひな人形を見てもらおうと、街道沿いの大野邸、大下半助商店、夢空感など古民家の軒先と御殿町自治会館に「ひな人形組合」の協力を得て、古いひな人形を展示する。展示されている時間は3月2日、3日の午前10時から午後4時まで。さらに隣の北越谷地区では香取神社(2月16日〜3月20日午前10時〜午後4時)、ギャラリー「夢の蔵」(2月7日〜3月5日午前11時〜午後6時)の2つの会場を使って貴重な昭和初期などのひな人形の展示も行っている。
 主催者の一人で、旧日光街道・越ヶ谷宿を考える会のメンバーでもあり、「夢の蔵」代表の安田惠三さん(68)は「多くの人に越谷のひな人形を知ってほしいと企画した。昭和初期に作られた『木目込みひな人形』など珍しいものや、昭和40年代の人形、ミニサイズの御所人形など、普段あまり見られないものを展示しています。ぜひ立ち寄ってほしい」と呼びかけている。
 さらに、もっと越谷の雛人形を詳しく知ってほしいと、「雛めぐりと古民家・まちなみガイドツアー」も企画。3月2日と3日の午後1時から4時ごろまで実施する。当日は午後0時30分に、越谷駅東口東武トラベル前に集合後、旧日光街道を歩き、御殿町自治会館、香取神社、楽の蔵を見学する。参加費500円(資料・お茶代)。各日定員20人。要予約で参加者募集中。小雨決行。
 日光街道の宿場町としての面影も色濃く残る越ヶ谷宿。春の兆しを感じながら、古民家を眺めつつ、「おひな様」を巡るという、これまでにない観光行事。関係者らは毎年の開催を目標にしており、市民のアイデアで始まったユニークなものになることを期待したい。
 <ガイドツアーの申し込み・問い合わせ>楽の蔵TEL978・8287。

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