トップニュース

「口腔がん検診」に3000人受診・市の想定の倍、成果上げる

2013.1.21(越谷市)
ニュース写真
 越谷市が昨年5月から始めた「口腔がん検診」が好評だ。市は当初年間1500人の受診者を想定していたが、1月10日現在の受診者見込み数は2968人と2倍に迫る勢いだ。県内初の事業で越谷市歯科医師会(安井晃会長)に委託して実施しているもの。同歯科医師会では「2010年度から実施している、市の歯科健康フェアでの口腔がん集団検診の新聞報道や市広報などの告知で、多くの市民に知ってもらい、関心をもってもらった成果」と分析している。市保健医療部では「県内に先駆けてやった成果。さらに普及を図りたい」としている。一方、同検診後、精密検査のできる医療機関が市内にないことが課題となっている。

 口腔がん検診の対象者は越谷市内在住の40歳以上(今年3月31日までに40歳以上となる人)の人。検診期間は昨年5月1日から今年2月15日まで。検診費用は900円の自己負担(70歳以上や65歳から69歳までの後期高齢者医療制度の保険証の人などは無料)が必要。実際の検診は問診と視触診をする。舌や唇を前や上に引っ張り上げて視たり触ったりして検査をする。検診できる医療機関は同歯科医師会に加入する68の歯科医院。
 申し込みは検診を実施している医療機関に直接予約し、保険証を持参して受診。検診が終わればその場で歯科医師から結果通知書が渡され、結果の説明がある。もし、がんの疑いがある場合は精密検査を春日部と草加の市立病院や大学病院などの「口腔外科」へ紹介し精密検査をしてもらう。
 越谷市では、2010年6月に「歯科健康フェア」で初めて「無料口腔がん検診」を実施したところ、600人もの市民から申し込みがあり、そのうち抽選で150人が受診した。そのため市民の関心が高かったことから、今回の検診実施に踏み切った経緯がある。同歯科医師会への年間委託料は1000万円。
 同市によると、昨年5月から10月までの検診受診者数は1544人にのぼり、要精密検査が104人いた。そのうち口腔がんだったのが、2人だった。がん発見率は0・13%。対象者は18万777人(昨年4月1日現在の人口)。2月15日までに受診者は約3000人に上るとみており、受診率は1・6%になる。
 同市の荒川和弘保健医療部副参事は「かかりつけの歯科医による、呼びかけもあり、市の想定以上の市民の受診に結び付いた。今後も口腔がんの早期発見に努めるとともに、知識の普及を図り、年1回の受診をPRしていきたい」としている。
 安井晃歯科医師会長は「市民の方は、むし歯や歯周病以外にもいろいろな口腔内病変について悩みや関心を持っていることがあらためて知ることができました」とし、課題について「同検診後、精密検査を依頼するときに、市内の総合病院に口腔外科の診療科がないため、市外の病院へ紹介せざるを得ない。市民の利便性からも越谷市立病院に口腔外科が開設されるよう努めていきたい」と話していた。
 同市市民健康課では「口に中に白い着色がある、口内炎がなかなか治らないなど、口の中が気になるときは、口腔がんの可能性があるので、積極的に検診を受けてもらいたい。年に一度は受診を」と呼びかけている。
 安井会長は「歯科医師会として、市民の方に口腔がん予防の啓発活動を行っていくことと、早期発見、早期治療に結びつけ、治癒率を高めていきたい。また会員を対象に、口腔全体を診ることができるよう、歯科医師のレベルアップを図っていきたい」と今後の展望を話していた。
 <問い合わせ>越谷市保健センターTEL978・3511。

>戻る