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被災地の子どもたちにXマスカードを・東越谷の田中さん、プロジェクト立ち上げ

2012.11.26(越谷市)
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 被災地の子どもたちにクリスマスカードを贈ろう。越谷市東越谷の中央大学名誉教授の田中拓男さん(75)が、「国境を越えて心と心をつなぐクリスマスカード」プロジェクトを立ち上げ、全世界にインターネットなどを通して呼びかけている。東日本大震災から1年8か月が過ぎ、被災地の人たちも故郷の復旧復興に向けて、今懸命に力を合わせて前に進んでいる。しかし、田中さんは「子どもたちも普段の学校生活を楽しんでいるが、きっと心の中にはまだまだ辛い思いを抱えて耐えている子どもも多いのでは」と語る。そうした子どもたちのために「励まし」となるクリスマスカードを贈ることにした。

 田中さんの「クリスマスカードプロジェクト」は昨年初めて実施したところ、世界48か国から3万通ものクリスマスカードが送られ、被災地の宮城県内の小中学校106校に自身で届けた。「津波の被害を受けて辛いでしょうけどがんばって」「あなたたちのことを心配しています」「またきっと元気になれるよ」など「メリークリスマス」の文字に添えられた言葉はどれも、被災した子どもたちへの思いがあふれていて、中にはオルゴールや飛び出す仕掛けがついたカードもあり、子どもたちを喜ばせた。
 きっかけは娘のデザイナー・絵里子さん(38)の友人のピアニストが被災者慰問のコンサートを昨年12月に開きたいと、会場探しを手伝っていたところ、ようやく見つけたのは、宮城県七ヶ宿町の「七ヶ宿国際村ホール」(577席)だった。このコンサートに来た子どもたちにクリスマスカードを渡そうと考え、呼びかけたところ、予想外の数のカードが贈られてきた。
 田中さんは中央大学で国際経済学を教えてきた。国内外の友人知人、教え子に700通を超えるメールを発信した。越谷市内の小中学校にも協力を呼び掛けた。反響は大きく、上田知事や巨人軍の原監督、中央大OBの阿部慎之助選手も田中さんの趣旨に賛同しサイン入りのカードが届けられるなど各界に広がった。予想をはるかに超える3万通ものカードに驚き、コンサート会場だけでなく、宮城県内の学校を訪問し届けた。田中さんが訪問した学校の校長らは「(震災を)忘れられてしまうのが一番つらい。遠くから届く『がんばって』の一言は子どもたちの励みになります」と話した。
 今年は福島県内の子どもたちに届ける。田中さんは「子どもの傷ついた心には、長く継続した温かい励ましの声かけが必要。特に大震災に加えて未曾有の原発事故に遭った福島の子どもたちへぜひ勇気づけ、励ましの言葉をかけたい」と話す。福島市に相談したところ、同市子どもの夢を育む施設「こむこむ」の共催を引き受けてくれた。送られたカードは12月16日から22日まで、同施設で展示するほか、12月20日から23日まで、郡山駅前市民プラザでも展示する。
 「福島県内には避難の仮設住宅に残る方もなお多く、原発事故で避難を余儀なくされている子どもたちも多く、越谷にも数多くの子どもたちが避難している。日本や世界の人々が被災地の子どもの心に親しく寄り添うことが、子どもたちの心の再生には重要になる」と田中さんは呼びかけている。絵里子さんもカード送付を告知するパンフレット作りや事務連絡など裏方で活躍する。田中さんの温かいハートで始まった同プロジェクトは今年も世界中に広がりそうだ。


 ★クリスマスカードの送り先
   〒963・8004 福島県郡山市中町14の18 尚志高等学校 杉原長次様宛 「少年少女たちへ」
 受け取ったカードは開封後中身をチェックし、カードだけを学校に発送するため、直接伝えたい言葉はカードに書く。カードの書式は自由。
 <問い合わせ>田中さんTEL962・3610。

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