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イチゴ農業担う若者3人旅立ち・「観光農園」目指す

2012.7.2(越谷市)
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 越谷市のイチゴ観光農業の経営者を育成する「都市型農業経営者育成支援事業」の第1期研修生3人が6月22日に巣立った。研修生は2年間の研修期間を終えて施設園芸(観光農園)の農家として新たなスタートを切った。そして、きょう2日から第2期生として、4人の研修生が観光農業の経営者を目指し、2年間の研修が始まる。研修は越谷市農業技術センター(増森1の69)で、実施されているもので、イチゴの栽培と育苗、販売、接客まで勉強し、観光農業のプロになることを目標に、専門家の指導を受ける。農業後継者を育てることが目的で、「卒業」した3人はイチゴ栽培で独立し、越谷市の農業を支えていく。

 3人の研修生は6月22日の農業技術センターで行われた「修了式」に出席し、高橋努・越谷市長や島村博JA越谷市代表理事組合長らから、お祝いの言葉を受け、市が発行する「修了証」が交付され、巣立った。
 同市では「地産地消」を推し進めようと、イチゴの観光農園に目を付け、緊急雇用対策事業など県の補助制度を活用し「都市型農業経営者育成事業」として2010年度から始めた。農業技術センター内の試験温室(約770平方b)3棟を改修し、苗や栽培用施設の設置費用など3720万円をかけた。事業は市がJA越谷市に委託して行われている。今年度の委託料は2500万円。
 研修を終えたのは、農家後継者の前田寿樹さん(31)、藤井永多さん(28)、農業法人勤務経験者の平田竜太さん(29)の3人。指導したのは福岡県八女市で観光イチゴ園の園長をしている中村和秀さん(46)。2年間の研修期間で観光農園に必要な栽培施設の設置から、栽培管理、収穫販売、接客に、昨年からは育苗についても学んだ。
 栽培したのは「とちおとめ」「章姫」「紅ほっぺ」に今年から新たに埼玉県が独自に開発した「彩のかおり」が加わった。「高設栽培」と呼ばれる立ったままイチゴ狩りできるのが特徴。研修中は実際に「イチゴ狩り」ができる観光農園として開園し、1月から5月末までの5か月間で5000人を超える人が訪れ、売り上げも1150万円(昨年)を記録した。入場制限をする日もあるなど好評だった。
 同市の向佐秀雄農業振興課長は「2年間、観光農園事業をやってみて、多くのニーズがあることが分かった。たくさんの来場者においでいただき、栽培数が追いつかないなどの需給バランスに課題がありますが、研修生にとっては充実した内容になったはず。育苗にも取り組み、今後は越谷産のイチゴ作りにも本格的に取り組みたい」と話していた。
 そして、きょうから第2期生の研修が始まる。研修生はいずれも市内の、岡井弘幸さん(32)、須賀大輔さん(28)、並木紳悟さん(18)、山崎優花さん(18)の4人。開講式が行われ、引き続き、観光農業の経営を学び、それぞれ独立を目指す。同市では今後、農業技術センター周辺の増林地区でイチゴなどの観光農園の集約化を計画しており、市内外から来てもらい、新たな越谷の観光名所となるよう時間をかけて整備していく。


 前田寿樹さん「この研修に参加して貴重な経験ができた。多くの人に支えられたことに感謝したい。自分も人に教える立場になりたい。今後は、自宅近くのハウスを活用してイチゴ栽培に取り組みたい。また、イチゴの加工品にも取り組んでいきたい。立地条件を生かし、食べた子どもたちが笑顔になれる安全・安心なイチゴを作っていきたい」
 平田竜太さん「今後はJA越谷市の職員として勤務します。研修での経験を活かし、第2期生の研修のサポートを中心に、JA職員としての業務に精力的に励みたいと思います。越谷市の農業の発展、活性化へ貢献することに重きを置いて、今後も就農への希望を持ち続けていきたいと思います。また、市内イチゴ生産者をはじめ、果樹農園生産者を含めたネットワーク作りや、経営発展に協力・貢献できれば」
 藤井永多さん「900平方bの観光農園で栽培をスタートさせたい。敷地の整備と高設ベンチ作りからはじめ、9月25日の定植に間に合うように準備を進めたい。7年後くらいまでには1500平方bくらいに拡大したいと考えています。目標としては3年後までにイチゴの栽培を問題なくできるレベルになりたい。4年後には技術の向上を目指し、経営面の改善を図っていきたい。将来的にはイチゴの品質等付加価値がつけられるような栽培ができるよう腕を磨きたい」

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