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提供会員不足が深刻・ファミリーサポートセンター

2012.4.23(越谷市)
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 越谷市の子育て支援事業「ファミリーサポートセンター」の利用会員が増えている一方、子どもを預かる提供会員が増えず、「需給バランス」を欠いている。同センターを運営する越谷市社会福祉協議会では、5月に提供会員を増やそうと研修会を実施する。

 ファミリーサポートセンターは、子育ての援助を受けたい人(利用会員)と子育ての援助を行いたい人(提供会員)を会員として組織し、地域での子育てを支援する会員組織。越谷市が同市社会福祉協議会に委託して2000年から実施している。年間事業費は約700万円。援助できる内容は、子どもを一時預かることや保育所などへの送迎で、宿泊を伴う援助活動はできない。
 今年2月末で利用会員の登録は901人で対する提供会員は257人しかいない。需要があるため、利用会員は伸びるが、提供会員は伸び悩んでいる。利用件数は2007年度に年間2605件だったのが、2010年度には4137件と大幅に増えており、預かる提供会員の手配に苦慮することもある。
 活動内容は「保育所・幼稚園の迎えと帰宅後の預かり」が最も多く、年間1300件を超え、次いで「学童保育の迎えと帰宅後の預かり」の約1000となっている。越谷市社会福祉協議会ファミリーサポートセンター担当の岩下裕子さんは「最近の傾向として、産前産後の利用が増えています。第2子以降の出産時、上の子を見てもらいたいという希望があるようです」という。
 利用会員の1人でスタイリストの大平法子さん(36)は、長女の幸咲ちゃん(3)を提供会員の無職・坂巻すい子さん(67)に1年半前から週2回ほど預かってもらっている。大平さんの職場が都内で帰宅が遅くなることもあるため、坂巻さんが保育園に幸咲ちゃんを迎えに行き、坂巻さん宅で一緒に遊んだりして過ごす。
 太平さんは「坂巻さんは、本当のおばあちゃんのように親しくしてもらっています。ファミリーサポートセンターは働く母親にとって大変助かります」と笑顔で話している。坂巻さんも「子どもが好きなので、自分の孫だと思って預かっています。子どもと一緒にいるととても楽しい」と話していた。

 提供会員が増えない理由の一つに、2010年11月に大阪府八尾市でおきた事故も要因ではないかと見られる。生後5か月の赤ちゃんを預かった提供会員宅で心配停止になり、脳死状態になったというものだ。「うつぶせ寝」が原因といわれている。同課では「リスクを考える人が増えたのでは」としている。
 この事故を機に厚生労働省は全国のファミリーサポートセンターでの事故実態調査を行った。報告によると全国637の市町村で実施されているが、2006年4月から昨年6月までに骨折ややけどなど治療期間が30日を超える事故が15件あった。これを受けて同省では昨年9月に全国のセンターに提供会員向けの講習を行うことを通知した。内容は「小児看護の基礎知識」や「身体の発育と病気」など9項目24時間にわたるカリキュラムだ。
 越谷市社会福祉協議会では、これまでも提供会員に登録前に研修会を実施している。同協議会では「活動中の事故などが問題になっていますが、今年度は研修内容を補い、さらに事故防止に努めていく」としている。
 越谷市では今年度から、病気や緊急時にも子どもを預かる「緊急サポート事業」もスタートし、ファミリーサポートセンターとの2本柱での住民間の子育てサポートが始まった。内容の充実のためにも時間をかけ、密度を濃くした研修が必要になってくるだろう。

 越谷市社会福祉協議会では、「提供会員になるための初期研修会」を5月16日午前9時30分から、中央市民会館5階会議室で開く。市内在住の70歳未満の健康で子育て支援に熱意のある人対象。定員20人。受講無料。5月1日から申し込みを受け付ける。
 <問い合わせ>越谷市ファミリーサポートセンターTEL960・2311。

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