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レム睡眠研究で県臨床会賞・県立大の武田さん、ホルター心電計で

2012.4.10(越谷市)
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 埼玉県立大健康開発学科検査技術科学専攻4年の武田孝太さん(22)が自身の卒業研究「ホルター心電計を用いたREMの推定と睡眠の質の評価」を第40回埼玉県医学検査学会において発表し、埼玉県臨床検査技師会奨励賞を受賞した。これを受け、3月23日に埼玉県臨床検査技師会の通常総会が大宮ソニックシティで行われ、冒頭で表彰式があり、同会会長の砂川進さんから表彰状が贈られた。
 武田さんの研究は、入眠時刻や睡眠時間の長さの違いがどれほど睡眠の質に影響を与えているのかを調べたもの。ホルター心電計(長時間心電計)の記録から心拍の変動性を解析し、レム睡眠(眠っていても目玉が動き、脳は覚醒に近い浅い眠り)の推定を試みた。その結果、ホルター心電計で心電図と眼球運動を同時記録することにより簡易な方法でレム睡眠期の推定が可能であることを検証した。また本研究で解析した結果を用いて睡眠の質の検討を試みたところ、睡眠時間が長いほどレム睡眠の出現回数が多く、覚醒時の疲労回復感が良好であることが分かった。
 受賞の理由について、埼玉県臨床検査技師会学術部では「東海道新幹線の居眠り事件以来、睡眠に関する検査が注目されている。通常、睡眠解析は専用のポリグラフ計を用いるが、本研究では、ホルター心電計を使用して睡眠解析を試みていることは特筆すべき点である。解析結果も睡眠時刻が遅く睡眠時間が短いとレム睡眠の推定回数が少なく、疲労回復度も低下しているという結論を導き出している。この発表は睡眠解析におけるホルター心電計の新たな使用法を示唆するものであり、一般診療においても応用の可能性を提示する有意義な発表である」とした。
 武田さんは「このような素晴らしい賞をいただくことができたのは、指導教員の荒川先生や埼玉県立小児医療センターの横田進技師の熱心なご指導と、多くの友人たちが被検者として協力してくれたからだと思う。今回、卒業研究を通じて研究の難しさややりがいを学ぶことができた。今年の4月から臨床検査技師として勤務しているが、この経験を活かしてこれからも頑張りたい」と喜びを語った。
 指導教員の荒川恭子講師は「長時間にわたる睡眠時の記録を判定するのは並大抵のことではないが、これをやり遂げたことがこの研究の成果につながった。汎用機器を利用したアイデアと手間と時間を惜しまない学生ならではの粘りの結果である。今回の発表を通じて、現場の技師の方たちから高い評価とたくさんの励ましをいただいた。これをジャンプ台として、さらなる飛躍と臨床検査の発展に貢献することを期待している」と目を細めていた。

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