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椿と冬の夜空を表現・越谷市展本社賞に坂詰さん

2012.2.20(越谷市)
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 第12回越谷美術展覧会(=市展、越谷市美術展覧会実行委員会・越谷市・越谷市教委主催、東武よみうり新聞社協賛)が10日から16日まで、中央市民会館4階で開催された。今回、東武よみうり新聞社賞を受賞したのは、越谷市向畑の無職・坂詰昭雄さん(74)の写真「星夜椿香」だ。
 受賞作品は、全紙のカラー写真。手前にツバキの花のアップに背景には星の光跡があるというユニークな作品。越谷市大吉のキャンベルタウン野鳥の森で昨年2月2日午前2時過ぎに約1時間かけてデジタル1眼レフで撮影した。15_の魚眼レンズを使用し、まずLEDライトを使ってツバキを接写。さらに背景の星を8秒間×427カット撮影し、画像データを重ねて星の光跡を表現した。
 受賞した坂詰さんは「接写が好きで動植物を主に撮っていましたが、それだけではつまらないので、背景を工夫しました。真冬の深夜に撮影した苦労が受賞で報われました」と喜びを話す。同市展には昨年から出品し、前回は入選。今回が初受賞だけに「受賞はまさかという感じです」。
 坂詰さんは元貿易会社社員。衣装に使うプリント柄を求めて、フランス、イギリス、イタリアなど主にヨーロッパの画廊やアトリエを仕事で巡る日々。60歳の定年退職後に、「何かしなければ」と地元の新方地区公民館で開催された「初心者写真講座」に参加したのが写真の始まり。
 それまで、家族の記念写真しか撮影してこなかったが、写真の奥深さにはまった。昆虫が好きだったので、はじめは自宅近くにいるチョウやテントウムシを接写し楽しんだ。講座の参加者たちで「なの花写真クラブ」を結成し、仲間たちと一緒に撮影に出かけることもしばしばだ。
 写真仲間から教えてもらった秩父市の秩父鉄道のSLを夜間に撮影しにいったところ、夜汽車だけとると背景は暗くなってしまい、何かないかと思ったところ、星を長時間露光してみると、「まるで、宮沢賢治の銀河鉄道の夜のようなイメージで、これは面白い」(坂詰さん)と星の撮影に夢中になった。
 特に天体には興味はなかったため、「花や昆虫と夜空の対比が面白い」とチャレンジを続けている。現在は国際宇宙ステーション「きぼう」の光跡を追って各地に撮影に出かけている。
 妻のとみ枝さん(71)は良き理解者。「年金暮らしですが、カメラなどの機材購入にも目をつぶってくれています」と坂詰さん。カメラのほか、釣りも趣味でハゼ釣りが得意だ。貿易会社勤務時代に最先端のデザインをヨーロッパで肌で感じたセンスが作品に生きている。坂詰流の今後の作品が楽しみだ。

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