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若者3人、2年目の本格イチゴ農園・新品種「彩のかおり」も作る

2012.1.16(越谷市)
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 農業後継者を目指し、研修中の3人の若者が丹精込めて栽培したイチゴの観光農園が7日、越谷市農業技術センター内にオープンし、初日から多くの家族連れらがイチゴ狩りを楽しんでいる。昨年に続いて2シーズン目だが、今年は埼玉県が独自に開発したイチゴの新品種「彩のかおり」の栽培にも成功し、来場者から「おいしい」と絶賛されている。今年6月末に2年間の研修を終える若者たちは「ぜひ、イチゴ農家として独立したい」と張り切っており、越谷市やJA越谷市もサポートしていく方針だ。

 越谷市では「地産地消」を推し進めようと、イチゴの観光農園に目を付け、緊急雇用対策事業など県の補助制度を活用し「都市型農業経営者育成事業」として独自に始めた。意欲ある若手農業者を募り、観光農業の研修を実施するもので市が地元のJA越谷市に委託して行われている。農業技術センターの試験温室(約770平方b)3棟を約3720万円かけて改修し、実施している。
 研修をしているのは、いずれも市内の農家後継者・藤井永多さん(27)、農業法人勤務経験者の平田竜太さん(28)、農家後継者・前田寿樹さん(31)の3人。栽培から販売まで指導するのは福岡県八女市で観光イチゴ園の園長をしている中村和秀さん(45)。研修期間は2年間で観光農園に必要な栽培施設の設置から栽培管理、収穫販売、接客などを学んでいる。3人とも農家として独立を目指している。
 藤井さんは「イチゴ栽培は温度管理、病害虫除去などこまめに面倒をみなければならない根気のいる仕事です。品種によって温度管理が違うなど勉強になることばかりでした。卒業後は実家が農家なので田んぼと畑を更地にしてハウスを2棟ほど設置してイチゴを栽培したい」と将来を見据えている。
 前田さんも「イチゴはデリケートな作物なので、温度管理、病害虫除去など知識と経験がないとできない作業が多く、とても勉強になりました。卒業後は土地を借りるなどしてハウスを設置して、イチゴ農家として独立したい」ときっぱり。
 平田さんは「昨年新しい品種の彩のかおりの栽培に挑戦しました。温度管理など高品質のイチゴをつくることの難しさを実感しました。私は農家ではないので、卒業後はまず『就農』し、土地を借りるなどして、イチゴ栽培をしたい。ハードルはまだまだありますが、農家になれるように頑張りたい」と目を輝かせている。
 全国的にも珍しい、市が実施するイチゴ栽培農家育成事業。課題は研修後の独立へのサポートだ。同市の長柄幸聖環境経済部副部長は「市の育成事業として、これからが正念場。イチゴ栽培農家になるには設備費など初期費用が高額になるので、例えば、市とJAが協力してハウスを設置して、希望者に貸し出すことを検討している」としている。農業後継者の育成はコストのかかる事業。今しばらく行政の支援が必要なようだ。


 7日にオープンした「越谷いちご観光農園」は「とちおとめ」「章姫」「紅ほっぺ」に今年から新たに「彩のかおり」が加わり、4品種を栽培している。「高設栽培」と呼ばれる立ったままイチゴ狩りができるのが特徴。
 初日に市内から訪れた岡篤子さん(38)は娘の万起子ちゃん(4)と息子の亮介くん(1)を連れて、4品種をそれぞれ味わった。岡さんは「市の広報紙を見て初めて来ました。予想以上の規模と内容でびっくりしました。彩のかおりは実がしっかりしていて、甘みがあり、とてもおいしい。また来ます」と満足そうだった。
 農業技術センターの冨田真所長は「いちご狩りには昨年5300人もの人が来場し、売り上げも1150万円を記録した。おいしい越谷産のイチゴを多くの人に味わってもらいたい」と話していた。
 イチゴ狩りは5月末まで楽しめる。30分食べ放題で大人(小学生以上)1600円、小人(3歳以上)1100円(4月以降は料金変更あり)。車イスやベビーカーも温室に入れる。持ち帰り(パック販売)もある。時間は午前10時から午後3時まで。月曜・火曜日は休み。
 <問い合わせ>越谷いちご観光農園TEL940・3231。

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