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卒業生から仕事の話聞く・<フリースクールは今>

2011.10.17(越谷市)
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 フリースクール・りんごの木では、昨年度から、文部科学省からの委託事業「職場体験プロジェクト」を行っており、高等部の子どもたちが、多種多様な職場を見学したり、仕事体験をしています。「アルバイトをしてみたい」「そろそろ進路を考えたい」、でも「学校に行っていないから大丈夫だろうか」「職場でうまくやっていける自信がない」など、漠然とした不安を抱えている子どもたちを応援しようという事業所の方々との出会いがあり、ありがたいことに、りんごの木の子どもたちを受け入れていただいています。できるだけ、子どもの背景や置かれている状況を理解していただけるよう、りんごの木の担当スタッフが先方の担当の方と打ち合わせをし、気軽に職場体験ができるようにしてきました。介護施設、カフェ、楽器店、果樹園など体験先もいろいろです。2年目の今年度も「どんな職場を体験する?」「『働く』って?―チャレンジして感じてみよう」という呼びかけのチラシを作りました。卒業生から仕事の話を聞く機会も設けています。
 こんな試みの積み重ねが、「働く」という言葉の重さを軽減したのではないかと思いますが、このところ、アルバイトに興味を持ち、実際に働き始めた子どもが増えています。昨今の就職状況の厳しさは、アルバイトの世界も変わりませんが、不採用の通知が続いても、何度でも挑戦する子どもや、積極的に「そちらではアルバイト募集していませんか」と、あちこちに電話をかける子どもなど、私たちスタッフが「指導する」までもなく、自分で判断して動いています。
 また、ある子どもは、病気がちの親と2人暮らしで、不安な毎日を送っており、自分の小遣いは自分で何とかしたいと言っていましたが、日常の生活をこなしていくことにエネルギーを遣ってしまい、アルバイトどころではない状態でした。「自分には無理かな」と言っていましたが、周りの様子を見て、少し安心したのか、働くことへの距離感がなくなり、アルバイト情報を集め始めています。世のおとなたちには、少しずつ歩みを進めている子どもたちをあたたかく見守っていただきたい…と願う日々です。
 増田 良枝(ますだ・よしえ=NPO法人越谷らるご理事長)

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