トップニュース

初の自立援助ホーム設立へ・越谷らるご、社会参加を後押し

2011.10.10(越谷市)
ニュース写真
 家庭で安心して生活することができない子どもたちを社会的に支援しようと、越谷市のNPO法人・越谷らるご(増田良枝理事長)は、市内初の自立援助ホームを開設することになった。同市千間台西の住宅を改築して来年3月1日にオープンさせる。義務教育を終えた20歳未満の子どもを対象に共同生活し、生活や就業の支援を行うもの。対象は、家庭の貧困、保護者の精神的な不安定、虐待などの事情で、保護者による養育が困難な子どもたちだ。児童養護施設などで育ち、退所した後に家庭に戻る場のない子も利用する。越谷らるごはこれまで「フリースクールりんごの木」を運営してきており、増田理事長は「中学卒業後、教育、福祉、医療の狭間で苦しみ、援助の手が差し伸べられるのを待つ、どこにも居場所のない子どもがいること、その生活全般にわたる支援の必要性を感じている」としている。

 「自立援助ホーム」は、児童養護施設などの社会的養護の下で過ごしてきた若者を主な対象として、義務教育終了から就労して社会に出て行くまでを支援する児童福祉法のグループホーム。そのため、20歳を過ぎると公的な支援を得られなくなるという限界がある。
 越谷らるごは、これまで不登校の子どもたちの「居場所がほしい」という声に応えて、21年前に「フリースクールりんごの木」を設立し現在まで運営してきた。これまでの経験から、子どもの不登校や引きこもり状態が問題なのではなく、子どもが置かれている環境に十分注意を払う必要があることに気付いた。学校の状況だけでなく、背景には様々な家庭の事情があり、社会的な支援が必要なケースもあることを実感した。
 フリースクールの実践経験をベースとして、生活全般に支援が必要な子どもたちに手を差し伸べようと、今回の自立支援ホームの開設を決意し3年前から準備を進めてきた。埼玉県こども安全課とも話し合いを重ね、来年度からの開設へゴーサインが出た。預かる子どもの定員は6人だ。
 ホームはらるごの理事が所有する木造2階建ての住宅をリフォームする。10月中に改築工事に着手。子どもたちの居室6室(各4・5畳)や職員の宿直室、予備室1室にリビング、ダイニング、浴室とシャワー室などを設置する。リフォーム費用は理事有志も費用協力して約1000万円をかけて改築する。今年12月に完成予定だ。来年1月から備品などを整備し、2月に県に届け出。3月から、子どもを受け入れる。
 自立援助ホームへの入所は子どもが申請し、受け付けは県児童相談所が行う。国・県からの補助金は来年4月以降に支給されるが、それまでの運営費、設備費などで費用が足りないため、来年2月までに500万円を目標に寄付も集めている。「ふとんなどの寝具や食器、エアコンなど当初必要なものも多く、資金が足りない。多くの人の協力を得たい」と増田さんは資金援助を呼びかけている。
 スタッフは、元児童養護施設職員ら常勤2人と非常勤1人、さらにアルバイト数人であたる。24時間体制でのホームのため宿直なども必要になる。利用者は月3万円の利用費が必要。朝・昼・夕食が用意される。就職が決まれば、職場へ持っていく弁当も作る。増田さんは「まず、いろいろな子どもの事情を理解するように努め、安定した生活環境の中で就職などの進路について一緒に考えていきたい」という。中卒者の就職は実際には困難が予想されるため慎重にしていく。
 さまざまな事情を抱え、安定した家庭生活を送れなかった子どもたちには、まずは安心して生活できる場所が必要になる。りんごの木で実施している「職場体験事業」に協力している事業所や団体とも連携し、職場体験をしたり、作業補助などを体験してもらい、社会参加の糸口を探っていく。
 県内には現在、草加市や上尾市など5か所の自立援助ホームがあり、らるごの設立で6か所目になる。運営には困難も予想されるが、増田さんらは「20歳を超えた若者をどう支援していくのかなどの課題はありますが、自立支援ホームの設立を機に、子どもや若者を支援する体制づくりにさらに力を入れたい」と意欲を見せている。
 越谷らるごでは、自立援助ホーム設立のための寄付金をはじめ、生活用品などの寄付も受け付けている。
 <問い合わせ>越谷らるごTEL970・8881。

>戻る