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「越谷で生活を」が4割近く・避難者アンケート、生活支援が課題

2011.7.4(越谷市)
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 越谷市は6月20日、市内で暮らす避難住民に対して行ったアンケート調査の結果を発表した。5月25日に全国避難者情報システムに登録する69世帯を対象に実施し、48世帯から回答があった。アンケートの結果、今後について、45%が被災地もしくはその近辺に戻りたいとする一方、36%は越谷市内で暮らしたいと回答しており、被災地復興の見通しが立っていない状況を反映した。

 アンケートは現在の住まいについて、45%は親類宅、30%は民間住宅、21%は公営住宅で暮らしていると答えた。生計では、38%は貯蓄を取り崩していると回答。年金・義援金・雇用保険などが27%、親類などからの援助が16%。就労収入と答えたのは19%にとどまった。
 家電や家具などの生活必需品については60%が不足していると答えた。健康面では、30%が精神的に疲れ不安定と回答し、20%が持病・身体障害があるとした。
 教育について、小学校に通っている15・6%、中学校に通っているも15・6%で、これらが関連して「今後も越谷市内で暮らしたい」が36・2%に上ったのではないかと市は推測する。「子どもがようやく越谷の学校生活に慣れてきたのでは」(越谷市広報広聴課)。一方、幼稚園の利用を必要とする人は25・9%に上るが、利用したくても利用できていない人が85・7%もいて、課題を残している。
 行政に対する要望では、税金免除や家賃補助などの金銭的援助、生活必需品や学用品、食料などの物的支援、県の借り上げ住宅による支援などを求める声が寄せられた。同市の佐々木清広報広聴課長は「今後は、避難者への精神的なケアが必要になってくる。看護師ら専門家や傾聴ボランティアを訪問するなどして、この結果を今後の避難住民支援に役立てたい」としている。
 原発事故の収束は先が見えず、避難者への対応は長期に渡るものになりそうだ。進学や雇用などこれから課題が増えてきそうで、きめ細かな対応が必要になってくるだろう。
   (安部 匡一)

 越谷市は東日本大震災発生後の3月18日に、避難者対策本部を設置し、原発事故に伴う福島県からの避難者の受け入れを始めた。老人福祉センターや体育館を避難所として用意。実際には老人福祉センター(ゆりのき荘・くすのき荘)に20世帯63人が避難。4月5日までに福島県内避難所に転出(6世帯20人)、市営住宅(3世帯13人)、提供住宅(5世帯12人)へ入居など避難者は避難所からすべて退所した。6月20日現在、市内に避難しているのは249人90世帯(岩手県22人、宮城県20人、福島県206人、茨城県1人)。
 3月に老人福祉センターに避難した人たちを中心に住民グループ「一歩会」を結成。越谷市民のボランティアの協力で交流会などを独自に開催。5月には市も協力して、市農業技術センターで初の「交流イチゴ狩り」を実現した。現在も市民ボランティアが中心になって交流を続けている。
 6月には越谷市と越谷市社会福祉協議会が独自に避難者に対する家電製品の支援を始めた。暑い越谷の夏を少しでも快適に過ごしてもらおうと、希望を募り、エアコン31台、洗濯機9台、冷蔵庫10台、テレビ19台(6月21日現在)などの申し込みがあった。

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