トップニュース

越谷に県東部初のFM放送開局へ・越野さんら準備、防災情報の担い手に

2011.5.30(越谷市)
ニュース写真
 越谷市にコミュニティFM放送「エフエムこしがや」(仮称)を開局しようと、越谷市南越谷の主婦で越谷市ボランティア連絡会相談役の越野操さん(61)が呼びかけ、準備会を立ち上げた。2013年4月の開局を目指し、準備を進めている。同会には趣旨に賛同する会社経営者やNPO法人理事ら10人が集まっている。県内には現在、「すまいるエフエム」(朝霞市)、「エフエム浦和」(さいたま市)など4局があるが、県東部地区にはなく、越谷が初のコミュニティFM局となる。越野さんは「長年、構想を温めてきましたが、3月の東日本大震災であらためて、コミュニティFM放送の重要性を認識しました。防災情報などきめ細かな情報を発信するために今後必要なものになる」と話している。

 コミュニティFMは、76メガヘルツ〜90メガヘルツの電波帯を使用し、出力は20ワット以下のため、放送(聴ける)できるエリアはおおむね1市町村の行政区程度に限られる。1992年1月に制度化され、昨年9月現在で全国243局が開局している。一般に市販されているFMラジオで聴くことができ、文字多重放送にも対応できるのが特徴。
 越野さんは1995年1月の阪神・淡路大震災の被災地神戸市を訪れ、ボランティア活動を続けていた。同震災後に開局した神戸市のコミュニティFMを聴き、安否情報、被災情報、生活情報など身近できめ細かな情報を収集・発信する「防災メディア」として、その有用性を確認した。越野さんは「神戸は外国人も多いのですが、英語や中国語など多言語での放送をしていて、地域に密着した放送をしていました。越谷とは地域性は異なりますが、将来、絶対に必要になると感じました」と振り返る。
 そして、昨年12月から、これまで市内でボランティア活動で知り合った仲間たちと話し合い、コミュニティFM立ち上げへ準備をスタートさせた。越谷市幹部とも話し合い、実現へ協力が得られるとの感触を得た。そして、3月の東日本大震災。被災地の避難情報、安否情報などが混乱する中、「やはり今、越谷でやらなければ」(越野さん)との思いを強くした。
 今後は、準備会社(株式会社)を設立し、放送局設立計画書を作成し、総務省へ周波数を決めるための免許申請を行う。アンテナは市役所屋上を想定。放送局(スタジオ)の場所は越谷駅東口再開発ビルを第一候補に挙げている。イオンレイクタウン内にもサテライトスタジオを確保することも検討している。放送時間は24時間放送を原則としている。会社設立へ向け、資本金の9000万円をこれから集める。
 放送内容は、市民や市内各種団体・企業など地域に密着した出来事、行事や市からのお知らせなど、これまでAMラジオ局や県域FM局では放送されてこなかった地域密着番組を基本とする。商店街の売り出し情報、観光情報・イベント情報や求人、住宅情報、空き駐車場情報、さらに地域のニュースや話題、イベント中継などやりたいことはたくさんある。
 越野さんは「今回の東日本大震災で感じたのは、安否情報、避難所情報など地域のFMが果たす役割は大きいということ。従来の大きなメディアではフォローできない情報がたくさんあることが分かりました。越谷も防災メディアとして、このFM局を役立ててほしい」と呼びかけている。
 長年、地域でボランティア活動を続けてきた越野さん。これまでの活動の集大成がこのFM局の開局だ。開局への資金集め、スポンサーの確保、周波数の確定などまだまだ課題は多いが、東日本大震災後、地域メディアの役割が見直されている。埼玉県東部地区初のコミュニティFMとして、貴重な存在になるはずだ。
 (安部 匡一)

 同FM開局に向けたアピールイベントが7月3日午後1時から、越谷コミュニティセンター・大ホールで開かれる。主催はエフエムこしがや準備会。越谷市文化連盟、越谷市社会福祉協議会が後援する。コミュニティFMの必要性をPRするのと開局に向けた準備資金を調達するなどが狙い。
 当日は、まず越野さんが「コミュニティFMの必要性」について話す「エフエムこしがやアピール」。高橋努市長が「市民との情報共有の重要性」について話す。続いて「コミュニティFMが地域で果たす役割」について、岩手県のFM宮古の代表者が講演する予定。さらに「越谷市におけるコミュニティFMの可能性」について、コミュニティFM開局支援コンサルタントの前田吉美さんが話す。第2部として、越谷市民交響楽団の演奏や和太鼓、大正琴の演奏がある。入場料は1500円。
 <問い合わせ>稲本さんTEL090・4015・3513、越野さんTEL090・5408・6024。

>戻る