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県内初、越谷で口腔がん無料検診・早期発見で死亡に歯止めを

2011.5.16(越谷市)
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 近年、口腔がんの患者・死亡者が急増している。アメリカやイギリスなどの先進国では、口腔がんの早期発見に力を入れ、死亡者は減少。これに対し日本では口腔がんへの意識が低く、死亡者増に歯止めがかからない。早期発見で90%以上は治癒が可能とされる。このため、越谷市歯科医師会(安井晃会長)は、6月5日の歯科健康フェアで、東京歯科大の協力を得て県内初の口腔ガン検診(無料)を実施。「口の中が変だと思ったら、すぐ歯科医に相談を」と呼びかけている。

 口腔ガンは、歯や歯肉、舌など口の中に発症。初期段階では、口内に白い着色やしこり、赤いただれなどの症状が出るが、痛さを強く感じないので気づかない人も多い。しかし、長期間、放置すると舌や顎の骨の切除などに至り、最悪の場合、死につながる怖い病気だ。
 り患率は、すべてのがんのうち11番目で、10万人に対し男性3人、女性1・3人と少ないが、日本では1970年以降増加。とくに40歳台の男性患者が目立つ。主な原因は喫煙、食生活、感染症だが、口腔ガンに対する認識が薄く、進行後期に受診して手遅れになる場合が多い。
 兄弟横綱「若貴」の父として知られた「初代貴ノ花」は、05年5月、口腔底ガンを発症、55歳の若さで死去した。日本の口腔がんは、初診時にはすでに60l以上の患者が重篤状態。一般的に発生から発症まで5〜10年で、この期間にがんを発見すれば、直る可能性は極めて高い。行政や地域が一体となった啓発活動が急務とされている。
 このため、越谷歯科医師会では昨春から定期的に、同市立病院の脳外科入院患者らを対象に、口腔ガンの検診や、口内のブラッシング法などをボランティアで指導。とくに寝たきり患者の場合、口の中の汚れが気管へ入り、誤嚥性肺炎で引き起こさないようケアしていると言う。
 口腔ガン検診には、東京歯科大千葉病院口腔外科の柴原孝彦教授や成田真人、村松恭太郎両助教、それに地元歯科医らが参加。千葉県では、1992年から早期発見対策の集団検診を実施。当初、年わずか42人の受診者が、今では800人近くまで増加、口腔ガンの死亡者も減少。日本より患者数が多い米、英、仏、伊など先進国も、医療機関を中心に「口腔ガン週間」の設定など、積極的に早期検診を呼び掛け、年々、死亡者は減少している。
 このため、村松助教らは「口の中の異変は、自分でも目視可能なので、少しでもオヤっと思ったら、迷わずかかりつけ歯科医に相談を」と、早期発見の重要性を訴えている。
 無料検診は、5日午前10時〜午後2時、同市東大沢1の12の1、市立保健センターで行われ、対象者は40歳以上の100人。希望者は、はがきに「口腔ガン検診希望」、住所・氏名・生年月日、電話番号を記入、20日まで同センター内の市歯科医師会事務局へ。参加者には受診票を郵送する。問い合わせは同事務局(TEL978・0011)へ。

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