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大相模地区の「観音経」50年ぶりに復活へ・小中学生4人に伝授、7月4日に披露

2010.6.14(越谷市)
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 越谷市大相模地区に伝わる伝統行事「観音経」を後世に伝えようと、地元、相模町6丁目の番場自治会(櫻井千鳥会長、198世帯)が地域の小中学生に指導し、7月4日に同自治会館で披露されることになった。一昨年11月から練習を始めたもので、4人の子どもたちが参加している。しばらく廃れていたが、約50年ぶりの復活に自治会では躍起になっている。

 「観音経」は法華経(妙法蓮華経)の中の25品目目にあるお経のこと。大相模の「観音経」行事では、観音堂のある自治会館で、お経を唱えながら、太鼓をたたくというもので、従来は毎年7月8日に実施されていた。「般若心経」も含まれており、唱えることで無病息災などの功徳が得られるとされている。
 同自治会によると「観音経」は大相模地区で約400年前から伝わるもので、昭和に入り、30年ごろまでは毎年7月の行事として行われていた。以前は地区の家一軒一軒を回り、太鼓をたたき、お経を唱えていたが、30年代後半に廃れてしまった。今では知る人も少なくなり、消滅の危機にあったのを復活させようと始めた。
 指導するのは須賀清司さん(83)と齋藤光久さん(68)ら地元の人たち。須賀さんは昭和の初期から「観音経」を知る人で、02年から一人で「観音経」行事を続けていた。それを見た齋藤さんが「観音経を知っているのは高齢者ばかり、このままでは消滅してしまう」と須賀さんから手ほどきを受け、覚えた。危機感を感じた2人は、子どもたちに伝えたいと、地元の子ども会に呼びかけたところ、協力してくれて、小中学生4人が練習を始めることになった。
 経本や太鼓を触るのは初めての子どもたち。毎週1回、自治会館に集まり練習を開始した。お経を読むのがまずは一苦労。独特のリズムに乗り、漢字ばかりなので、何度も壁にぶつかった。正座にも慣れていないため、約8分間にも及ぶお経を読むのは大変だった。お経を読みながらタイミングを見て太鼓をたたくが、大きな音が出ることから、子どもたちは楽しそうに太鼓をたたく練習をしている。
 須賀さんは「約1年半に渡る練習を子どもたちは飽きずによく頑張った。地味な練習なのによく続いたと思う。ようやく様になってきたので、発表できるようになりました」とうれしそう。自治会長の櫻井さんも「大相模に伝わる行事として、多くの子どもたちに伝えたい。今回をきっかけに、興味を持つ子どもが増えればいいのですが。今後は年中行事として定着させたい」と意気込んでいる。
 同観音堂は五郎兵ヱ屋敷として「武蔵国観音霊場」三十三か所のひとつにもなっていて、12年に1回、午年の4月に観音様をご開帳している由緒ある場所。7月4日の「観音経」行事の日もご開帳される。午前11時から始められる。貴重な伝統行事の復活に力を入れる自治会の活動は地味だが、子どもたちを巻き込んで復活の糸口を見つけたようだ。
 <問い合わせ>須賀正司さんTEL988・7010。


 阿部凌太くん(中2)「教えてくださった齋藤さんが唱えているのを見学したとき、簡単に覚ええられると思った。経本をいただいて開いてみると漢字ばかり何ページもあり、さらに太鼓もリズムがあり実際に覚えられるか不安もありました。まだ、完璧にはできませんが、だいぶできるようになって良かったです」
 阿部渓人くん(小6)「ぼくは太鼓をたたくのが好きで、観音経を見学に行った時に教えてもらいたいと思いました。でも漢字ばかりで難しそうで心配でしたが、太鼓でリズムをとってやったら、覚えやすかった。お兄さんばかりで、一番覚えるのが遅くて少し嫌だったけど、観音経は楽しいです」
 池田貴弥くん(中2)「最初、経本を見たとき、漢字ばかりでで、びっくりしました。そして先生が読んでいるのを見て、すごいなと思いました。毎週練習して、観音経は神様が見守ってくれますようにという意味だと分かりました。何事も真剣に集中してあきらめずにやれば、できるということを学びました。一緒に頑張った仲間、教えてくれた先生。本当に感謝しています」
 佐藤一輝くん(中2)「最初は難しそうに見えたけど、習っていくうちに簡単にできるようになりました。あっという間に1年間が過ぎて、齋藤先生みたいな年齢になっても観音経を続けられるようになりたい」
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