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デジタル教材作り本格化・「でじたま」面白授業後押し

2010.5.24(越谷市)
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 小・中学校の教材のデジタル化など教育の情報化に取り組もうと、越谷市と松伏町の教員らが中心となってつくる独自の授業づくり研究会「でじたま」(代表・大西久雄越谷市立大袋中学校校長、会員81人)の活動が今年度から文教大学の全面的な支援を受けて新たなスタートを切った。「でじたま」には教員、文教大准教授、学生のほか会社員やPTAなどさまざまな分野の人が参加し、教材作りを研究する全国でも珍しい組織。大西校長は「マンネリになりがちな日々の授業に、iPodなどデジタル教材を取り入れると生徒たちの目が違ってくる。さらに今後は不登校の生徒に教材を提供して、学びを充実させたい」と新たな取り組みに挑戦する。

 「でじたま」は昨年1月に、大西校長の呼びかけで誕生した。新学習指導要領の「情報教育」や「教科指導でのデジタル教材の活用」などについて、教委や学校が組織する公的な研修組織だけでは限界があると考え、教員らの自主的で私的な研究会をつくろうと始まった。研究にはパソコンが複数ある会場が必要で、1年前から文教大に呼びかけていたが、今年に入り、大学の教室(情報教育センター)と機材(パソコンなど)の無償貸与でバックアップしてくれることになった。
 大西校長は昨年度まで松伏第二中の教頭として、アップル社のiPodを活用した授業に取り組み、英語や数学、国語、社会など各教科の教材づくりに取り組み、実際に授業で活用。生徒に好評で、画面に示される図表や動画などが考え方のヒントになり理解度が大幅に向上したという。その学習効果は父母らにも好評で、1クラス分のiPod(42台)をPTAが購入し、生徒が活用している。
 このiPod授業の実績から、デジタル教材の効果を実感した。ただ、課題は教材ソフトを教員独自で開発研究しなければならず、時間と労力が要される。そこで、多くの教員たちが協力して知恵やアイデアを出し合い、共同で教材を開発しようと「でじたま」を立ち上げた。研究会は月1回ペースで開催している。
 文教大大学院教育学研究科・今田晃一准教授らの全面支援を受け、パソコン機材などをフル稼働させ、2年目の今年度からパワーアップして始まった。今年は全国的に注目されている持ち運びできるモニター型パソコン「iPad」を活用した授業と教材作りに力を入れる。
 さらに不登校生徒への教材提供にも取り組み、学校に来られない生徒たちへの学びたい意欲に応える。同大学院の修士生も大袋中で不登校生徒への取り組みを研究し、地域の中学校と大学が連携して、教育の充実を目指す。大西校長は「不登校生徒たちへの教材提供はどのような方法が望ましいのか、慎重に研究したい。もし、できれば画期的なものになるはず」と期待する。
 時代はデジタル。教材を活用することで、生徒たちの学びの意欲は変わってくる。「でじたま」の取り組みは理解を深めるための教科授業の助けになる。なにより、教員たちの熱意が伝わり、新たなコミュニケーションが生まれることだろう。
  (安部 匡一)
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