ニュース

りんごの木のメンバーが映画に出演・<フリースクールは今>

2010.3.15(越谷市)
ニュース写真
 フリースクールりんごの木は、不登校や引きこもりを体験した子ども・若者たちが「自分のことは自分で決める」というルールの中、学習やスポーツ、音楽などの他に合宿、旅行、他団体と合同での文化祭など自由参加の形で活動しています。りんごの木に通う前は、学校に行けない自分を否定的にとらえ、現実の生活から引きこもっていく体験をした人も多くいますが、無理のない形で自発的な活動に参加していくことが少しずつその子どもの自信につながり、様々な活動に拡がっていきます。
 07年のことになりますが、英国人のローレンス・スラッシュ監督「扉の向こう」という映画に出演を依頼されたりんごの木メンバーの根岸健太君(主役・現在はOB)、松村佳奈江さん(現メンバー)と加納想子さん(現スタッフ)、その他数人が映画に挑戦。引きこもっている時間は無駄ではなくその人の成長には大切なことであるという私たちの話を参考に、ローレンスさんが脚本を書き1年ほどかけて映画が制作され、やっと一般上映されることになりました。映画では、ひきこもり状態の主人公を中心に家族が崩壊していく様子がリアルに描写されていきます。困り果てた母親は、自立支援助センター(就労や進学につなげるための訓練施設のような所)に相談します。センターのスタッフが何度も訪問して主人公を「このままでいいのか」と、引っ張り出そうとします。この映画の結末はありません。観客自身に委ねられます。
 一般的には「社会的引きこもり」が問題にされていますが、本当にたいへんでつらいのは、自分自身への否定感です。「社会」ではなく、自己との距離が取れず、積み重なった挫折体験にこだわり続け、そこから抜け出ることが難しくなっていきます。そういう状態にあるうちは、親であれ、専門家であれ外に引き出すことには意味がありません。自分で自分に折り合いをつけていかなければならないのです。周りの人々は、突き放すことなく、あたたかく見守ることが重要です。この3人はそれぞれが自分らしく自己と外の世界に向き合って生きてきたのだと思います。
 増田 良枝さん(ますだ・よしえ)=NPO法人越谷らるご理事長

>戻る